猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

冬時間のパリ

2020-12-22 22:30:39 | 日記
2018年のフランス映画「冬時間のパリ」。

敏腕編集者のアラン(ギヨーム・カネ)は電子書籍ブームが押し寄せる中、何
とか時代に順応しようと苦心していた。ある日、作家で友人のレオナール(
ヴァンサン・マケーニュ)から不倫をテーマにした新作の相談を受ける。ア
ランは内心、彼の作風はもう古臭いと感じており、出版を断る。だが、アラ
ンの妻で女優のセレナ(ジュリエット・ビノシュ)の意見は正反対だった。最
近アランとセレナの関係はあまりうまくいっておらず、アランは年下の部下
と浮気をしている。一方、セレナとレオナールも数年に亘って不倫関係にあ
った。そしてレオナールの妻ヴァレリー(ノラ・ハムザウィ)は夫の度重なる
不倫に気づいていたが、何も言わなかった。

2組の夫婦の愛の行方をユーモラスに描いたドラマ。編集者のアランの友人
で作家のレオナールは不倫をテーマにした新作の相談を持ち掛ける。レオナ
ールは私小説作家で、いつも自分の経験を小説にしていて、アランはその作
風は既に読者に飽きられていると感じていたため、出版を断る。だがアラン
の妻で女優のセレナはレオナールの小説をとても褒めた。実はセレナとレオ
ナールは数年間不倫関係にあり、アランもまた部下と浮気をしていた。レオ
ナールは自らの不倫を何度も小説に書いてきたため(もちろん相手が誰なの
かはわからないように)、レオナールの妻ヴァレリーは夫の不倫に気づいて
いたが、問い質したことはなかった。
冒頭からアランたち数人の友人が集まってお酒を飲んだり食事をしたりしな
がら、会話の嵐。とにかく皆しゃべるしゃべる。そしてそのシーンが何度も
繰り返され、そのパワーに圧倒される。フランス人って本当にあんなによく
しゃべるのだろうか。話すのが苦手(人とコミュニケーションをとるのが苦
手)な私がああいう場にいたら、疲労困憊してしまうだろうな。アランは部
下と不倫をし、セレナもレオナールと6年くらい不倫を続けていて、もうど
うぞご自由に、といった感じ。本当に恋愛至上主義の国なんだなあ。
しゃべると言えば、レオナールが読者たちを集めて意見や質問を聞くという
場があったのだが、皆レオナールの本のファンなのかと思っていたらそうで
もないのだ。飛んでくる質問は小説に対する批判が多く、「いつも私小説を
書いているが本に書かれている女性に対して悪いとは思わないのか」とかそ
ういう内容。レオナールは相手のことはぼかして書いていると答えるが、本
人が読めばわかるのではないかと突っ込まれる。最初は受け流していたレオ
ノールだが次第にムッとしてくる。本当にフランス人ははっきりとものを言
うのだなと思った。
アランとセレナは夫婦2人暮らしなのかと思っていたら、幼い子供がいたの
でびっくりした。何というか、生活感が感じられないのだ。セレナの仕事が
女優だからだろうか。友人たちを招いていても子供は姿を現さないし、「こ
こからは大人の時間」ときっちり躾をするのだろうか。日本ではちょっと考
えられないが。それにしてもレオナール、どうして妻にセレナとのことを告
白するかなあ。「正直に打ち明けて謝りたかった」と言っていたけど、言わ
なくていいのに。でもこの夫婦にとってはハッピーエンドだったようだから
いいのだろう。会話も洗練されていておもしろいし、フランスの文化がよく
わかる興味深い映画だった。


少し早いクリスマスのランチに行きました。フレンチのコースで、とてもお
いしくてお腹いっぱいになりました。


コメント (4)
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