猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

フロム・ヘル

2020-08-18 22:13:09 | 日記
2001年のアメリカ映画「フロム・ヘル」。

1888年のロンドン。残虐な連続娼婦殺人事件が発生し、フレッド・アバーライン
警部(ジョニー・デップ)が捜査に当たる。彼は数年前に妻子を失くして以来心を閉
ざし、アルコールとアヘンの中毒に陥っていた。アバーラインは捜査の過程で出会
った赤毛の美しい娼婦メアリー(ヘザー・グラハム)と惹かれ合うようになる。アバ
ーラインはメアリーの協力を得て事件を追うが、捜査は思わぬ妨害もあり遅々とし
て進まない。

有名な「切り裂きジャック」事件を題材としたミステリー・サスペンス。かなり史
実に忠実に作られているらしいが、現在に至るまで未解決の事件なので、核心部分
はフィクションと言えるだろう。1888年のロンドンで、赤毛の美女メアリーと仲
間の娼婦たちは身を売ってなんとか生きていた。ある夜、仲間の1人が何者かに襲
われ喉をかき切られて殺されてしまう。更に立て続けに犠牲者が出る。娼婦ばかり
を狙った連続殺人事件はロンドンの人々を恐怖に陥れる。
アルコールとアヘンの中毒であるアバーライン警部が捜査の指揮を執るが、彼はメ
アリーと惹かれ合うようになる。一向に犯人が捕まらず、次々と犠牲者が出る状況
に、ロンドン市民たちは不満を募らせる。切り裂きジャックの犯行は動機も目的も
不明だった。しかし犯行にはメスのような刃物が使用されていることや、被害者の
何人かは臓器を持ち去られていたことから、犯人は解剖学に詳しい者であるとされ、
医師犯行説が浮上する。これは今でも推測されていることである。
19世紀末のロンドンの街並みや人々の服装などがリアルに再現されている感じで、
映画の雰囲気は良かった。犯人は娼婦たちに「ブドウをあげる」と言って近づいて
いるのだが、当時ブドウはかなりの高級品だったようだ。娼婦たちがわずかな日銭
を稼いで生活している様子がかわいそうだった。メアリー役のヘザー・グラハムも
美しいが、ジョニー・デップの美貌も印象的である。ジョニーは昔を舞台にした映
画が似合うと思う。他にも19世紀や18世紀を舞台にした作品に出演しているが、
とても雰囲気が良かった。
切り裂きジャックの事件は未解決だとわかっているので、あ~映画ではこういう結
末にしたんだな~という感じ。ジャックの正体も犯行の動機も未だに解明されてい
ないが、この事件は現代でも人々の興味を惹きつけ、想像を駆り立てるものなのだ
と改めて思った。




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