猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

クロワッサンで朝食を

2017-09-29 16:33:26 | 日記
2012年のフランス・エストニア・ベルギー合作映画「クロワッサンで朝食を」。

故郷エストニアで、介護生活の末に母親を看取ったアンヌ(ライネ・マギ)。抜け
殻のようになった彼女にの元に、憧れの街パリでの家政婦の仕事が舞い込む。彼
女を待ち受けていたのは、高級アパルトマンに1人で暮らす毒舌で皮肉屋の老婦
人フリーダ(ジャンヌ・モロー)だった。フリーダもまたエストニア出身だった。
アンヌを雇ったのは近くでカフェを経営するステファン(パトリック・ピノー)で、
彼はフリーダの昔の恋人で、今も何かとフリーダの面倒を見ていた。フリーダは
家政婦などいらないと言ってアンヌを冷たく追い返そうとするが、アンヌを若き
日の自分と重ねるうちに心を開いていく。

素敵なパリが堪能できる映画。パリの高級アパルトマンって1度見てみたいなあ。
介護していた母親が亡くなったエストニア人のアンヌ。葬儀の時に訪れた子供た
ちに「泊まっていって」と言うも、仕事があるからと断られてしまう。孤独にな
ったアンヌの元に、以前働いていた老人ホームからパリでの家政婦の仕事に誘わ
れる。アンヌは昔からパリに憧れて、フランス語が話せるようになっていた。パ
リに着くとステファンという男性が待っていて、アンヌを案内する。連れていか
れたフリーダという老婦人の家では、別の家政婦が「奥様が食事を食べてくれな
い」と言って困っているところだった。わがままなフリーダはこうやって何人も
家政婦をクビにしてきたのだった。
ストーリーとしては割とありがちだが、やっぱりパリが舞台だとおしゃれ。それ
に年を取っていてもジャンヌ・モローがかっこいい。気難しいフリーダの役にと
ても合っている。家政婦なしでは生きていけないのに次々とクビにするので、ス
テファンは頭を抱えている。かなり年の違う2人だが、昔は恋人同士で、ステフ
ァンはずっとフリーダの世話をしてきた。フリーダは自分がエストニア人である
ことを受け入れたがらず、街で同郷の知人に会っても、皆エストニア語で話して
いるのにフリーダはフランス語で話す。フリーダが孤独なのには理由があった。
いい映画だと思う。おもしろかったが、フリーダがアンヌに心を開いていく過程
がちょっと弱いと思った。
ステファンにフリーダの朝食はクロワッサンと紅茶だと聞いたアンヌは、スーパ
ーでクロワッサンを買ってくるが、「私にプラスチックを食べろと言うの」と言
われてしまう。クロワッサンはおいしいパン屋で買うものだと。アンヌが翌日そ
うしたらフリーダはとても喜ぶ。それがきっかけなのだろうか?それだけで?フ
リーダはしょっちゅうアンヌに文句を言っているのに、どうしてあんなに仲良く
なったのか、描かれ方が微妙だ。
ラスト近くで、アンヌが夜中の街をさまよいながらクロワッサンを食べるシーン
がとても好きだ。孤独なアンヌ、孤独なフリーダ。ちょっと悲しくてちょっと心
が温まる物語だが、やっぱりこれはパリを見る映画かなあ、と思った。




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コメント (2)
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