猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

レインメーカー

2013-10-18 03:25:50 | 日記
1997年のアメリカ映画「レインメーカー」。
弁護士志望のルディ・ベイラー(マット・デイモン)は、苦学して大学を卒業し、アルバイト
先の店長の紹介で悪名高きブルーザー・ストーン弁護士(ミッキー・ローク)の事務所で働く
ことになった。
ルディの初仕事は、白血病の息子ダニー・レイ(ジョニー・ウィットワース)に対し保険料を
支払おうとしない悪徳保険会社ベネフィット社を訴える決意をした、ダニーの母親ブラック
夫人(メアリー・ケイ・プレイス)の弁護をすることだった。ダニーは骨髄移植をすれば高い
確率で助かるのに、ベネフィット社はもう7回も保険金の支払いを拒否している。ダニーの
容態は悪いが、貧しいブラック家には治療費はなかった。司法試験に合格して喜ぶルディだが、
雇い主のストーンが悪行を摘発されて行方不明になってしまう。相棒のデック(ダニー・デ
ヴィート)は独立することを提案し、2人は小さな事務所を構えた。そんな矢先、ダニーは息を
引き取った。
ルディは夫から暴力を受けて入院しているケリー(クレア・デインズ)と知り合う。ルディは
離婚を勧めるが、夫からの報復が怖いケリーは決心がつかない。
ベネフィット社との裁判が始まった。会社側の弁護士はベテランのドラモンド(ジョン・ヴォ
イト)で、若いルディは苦戦する。

法廷ものではあるが、裁判の行方をハラハラしながら見守る面もある一方、感動的な映画
だった。希望を胸に抱いて弁護士になったルディだが、すぐに現実に打ちのめされ、悩む。
弁護士の仕事に疑問を抱きながらも雇い主に言われる通りに働くルディの苦悩を、マット・
デイモンがよく表現していたと思う。
白血病のダニーのエピソードは見ていて胸が痛んだ。まだ若い、ルディと同年代くらいの
ダニーはやせ細り、鼻血を出し、ベッドに横たわっている。病院ではなく家のベッドにだ。
アメリカだけではない、日本だってどこだってお金がなくて満足な治療を受けられない人は
いるだろう。でもそのためにダニーの母親はつましい生活の中から保険料を払っていたのに、
保険金を貰えないのだ。悪徳保険会社と、それを弁護する弁護士。
悲惨な事件が起きる度に、こんな加害者を弁護する人もいるのだなあ、と誰でも思ったこと
があるだろう。加害者にも人権がある以上仕方のないことなのだが。
ダニーの裁判での、ルディの最終弁論には涙が出そうになった。
また夫からのひどい暴力に悩むケリーは、夫を殺した容疑で逮捕されるが、正当防衛が認め
られ不起訴になる。当たり前だ。夫の父親がケリーに「なんて女だ、息子を殺しやがって」と
叫ぶシーンがあるが、あんたの息子が妻を殺そうとしてたんだよ、と言ってやりたかった。

保険会社の弁護士がジョン・ヴォイトだとずっと気づかなかった。ジョン・ヴォイト年取った
なあ~。他にもダニー・グローヴァー、ロイ・シャイダーなどスターが出演していた。
見応えのある、いい映画だった。
ヴァージニア・マドセンを見た時は「キャンディマン」を思い出してしまった。「キャンディ
マン」怖かったなあ。
コメント
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