猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

マイ・ブラザー

2013-10-05 04:35:14 | 日記
アメリカ映画「マイ・ブラザー」。
米軍大尉のサム(トビー・マグワイア)は順風満帆な人生を歩んできた。学生時代はアメフトの
スター選手として活躍し、チアリーダーだった美しいグレース(ナタリー・ポートマン)と
結婚し、2人の娘にも恵まれた。軍での人望も厚い。
一方サムの弟のトミー(ジェイク・ギレンホール)は長く定職に就いておらず、挙げ句の果てに
銀行強盗をして逮捕され、服役していた。
トミーの出所日にサムは迎えにいくが、元海兵隊員の父ハンク(サム・シェパード)は出来の
悪いトミーを厄介者扱いし、いやみを言う。サムを見習え、と。
グレースも娘たちも内心ではトミーを嫌っており、トミーは居場所がない。
トミーの出所と入れかわりにサムはアフガニスタンの戦地へ行く。そしてしばらくして、サムの
戦死の通知がグレースのもとに届く。
ショックを受け酒びたりになるトミーだったが、グレースや娘たちが嘆き悲しむ様子を見て、
やがて彼女たちの支えになろうと努力するのだった。
そんなトミーの存在はグレースや娘たちの心を癒していき、トミーもまた癒された。
すっかり娘たちがトミーと仲良くなった頃、サムが帰ってくるという知らせが。戦死は誤報
だったのだ。
帰宅したサムに、皆大喜びするが、サムはもう以前のサムではなかった。戦地での体験が元で
心に大きな傷を負い、神経質で暴力的な人間になっていた。

重たい映画だった。グレースもトミーも父親も、サムが戦地でどんな目に遭ったかを知らない
ので、サムの変わりように困惑するのだが、映画を見ているこちらはそれを知っているので、
サムの辛さが伝わってくる。偏見と思われるかもしれないが、私は中東を怖いところだと思って
いる。サムもその中東で悪夢のような経験をする。改めてやっぱり中東って怖い、と思って
しまった。
今の日本には軍隊がないけれど、昔戦争をしていた頃は兵士の人たちはあんな恐ろしい経験を
することもあったのだろうなあ。私なら耐えられない。軍人ってものすごく強い精神が必要
なんだな、と思った。そして米軍に限らず、戦っている兵士たちがまだ世界中にたくさんいる
のだと思うと、胸が痛く、悲しい。
グレースはサムに「何があったのか話して」と何度も言うが、サムにしてみれば話せることでは
ない。見ていて、話さなきゃいけないことなのか?夫婦だったら何でも打ち明けあうのがいい
ことなのか?と疑問に思った。セラピストには言えても家族には言えないことってあるのでは
ないだろうか。グレースはサムに話させようとするが、私なら聞かないと思う。でも聞かない
方がいいのかと問われたら、それは自信がない。
次第に精神が壊れていくサムを演じたトビー・マグワイアって、うまいなあと思った。
戦争がなくなるのはいつなのだろうか。

コメント
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