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フジサワキリギリス

2014-08-27 15:40:07 | バッタ
再び訪れたフジサワキリギリスの生息場所は、きれいに草が刈られていた。
ややっと思ったものの、耳を澄ませば聞き覚えのある声が。
隣接する場所で、相変わらずたくさん確認できた。
さて、今回は個々の特徴をじっくりと眺めてみた。

フジサワキリギリスは『ヒガシキリギリスの生息範囲内にいるニシキリギリス的特徴を持った個体群』という定義になる。
その由来はともかく、見分けるにはニシキリギリスの特徴を確認すればいい。
ではニシの特徴って何なのか。
これがかなり面倒な話で、現在の図鑑に記載されている特徴では完全にニシキリギリスとヒガシキリギリスを区別することができない、と解析をした論文があるほど。
つまり確実な同定ポイントなどないということらしい。
これはきわめて厄介だ。

画像で簡単に確認できる特徴としては翅と腹が考えられる。
ただし、腹部の模様は体色変異によって観察しにくくなることは、先日見たヒガシキリギリスで確認済みなので却下。
となると翅。
模様、形、長さに特徴が出るというが、長さはどう見ても個体差が大きい。
また、長さが違えば形が違う可能性もある。
それに撮影する角度でも形はわかりにくく、あまり適した特徴ではない。
唯一、画像で確認していけそうなのが、翅の模様となる。
黒斑がないあるいは1列がニシ、2列がヒガシ。
この特徴も対応しないニシの個体はいるようだが(つまり2列あるニシ)、先日みたヒガシはすべて2列であった。
つまり2列だとどっちともいい難いが、1列以下の場合にはかなりニシキリギリスの特徴を示している可能性が高いと考えられるわけだ。

そう思ってひたすら側面から写し、数えてみるとこの特徴もけっこう微妙。
ただし、2列目がうっすらと現れるだけという個体もいくつかいたが、とりあえず分けてみるとこんな感じ。
黒斑がほぼ2列のオス28個体。






黒斑がほぼ1列のオス10個体。




黒斑がほぼ2列のメス6個体。


黒斑がほぼ1列のメス3個体。


黒斑が完全にないものはいなかった。
ちなみにこれが先日写したヒガシキリギリス。
典型的なはっきりとした2列。


こんな特徴一つだけで分類など語ってはいけないのは重々承知の上、まとめてみると・・・
・2列の個体(ヒガシキリギリス的特徴) 34個体(72.3%)
・1列の個体(ニシキリギリス的特徴) 13個体(27.7%)
となる。

ちなみに先日山梨で写したヒガシキリギリスはすべて2列で20個体(100%)。
じゃあ藤沢近くのヒガシキリギリスはどうなんだ、という話になる。
それはまた近いうちに確認できれば見てみたい。

このフジサワキリギリスの生息場所にはヒガシとフジサワという2種が混生するという話もあるのだが、住み分け等は全くないようなのでそうではなく、フジサワはニシとヒガシの雑種だから両方の形質が出現する個体群なんだ、と考えるのが自然なような気がするのだ。
うーん、はまってしまった。
もう少し、興味を持って追いかけてみたい。

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