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タイワンヒメシジミ

2011-09-01 16:07:16 | チョウ
現在日本で見られるチョウの中で一番小さな種類は、日本最南端の地で見られる。
暑いところなら大きく育ってもいいように思えるが、このチョウは逆をいっている。熱帯域では多様性が大きくなるから自分自身が小さくなることによって生息する隙間を探したってことだろうか。
その日本で見られる一番小さなチョウというのがこのタイワンヒメシジミである。
日本で見られるようになってまだ日の浅い新参者なのだが、もう見つかってから9年も経ち、完全に定着したと見なしてもいいのかもしれない。

以前からタイワンヒメシジミが西表島で発生していることは知っていた。
それでも今までちゃんと探したこともなく、出会うことができていなかった。

とあるトンボを追いかけて、水田地帯の水路を進んでいたときのこと。
その場所は最近農地改良工事が行われ、水路がことごとく深いコンクリートの三面護岸に置き換えられてしまっていて、文字通り水路の中を長靴でじゃぶじゃぶ歩きながらトンボを追っていた。
ふと視線をあげると、目の前の草むらをとても小さな茶色っぽいチョウがちらちらと飛んでいるではないか。
『これは!』
静止したその姿は間違いなくタイワンヒメシジミだった。よく見れば狭いエリアに結構な数が飛んでいる。


超小形のその姿に苦労しながら写していて、ふと疑問がわいた。
『食草はどれだ?』
以前、友人に聞いた情報では、西表ではタヌキコマツナギというマメ科の植物で発生しているから、まずその草を探せば見つかるという話だった。
ところが周辺にコマツナギの仲間とおぼしき草はない。
そしてシジミが舞っているのはメドハギのような草の周囲。同じマメ科。
どうやらこいつを食べているらしい。

いずれにしても食草の幅が広がることは長期的定着にもつながるはず。
日本最小のチョウの座はまだしばらく守ることになりそうだ。

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