新聞業界で今何が

７月２４日の新聞各紙や電子メディアで一斉に日経新聞、
正式には日本経済新聞がイギリスのフィナンシャルタイムズを買収したと報じている。

約1600億円とのこと。
フィナンシャルタイムズは、
アメリカのウォールストリートジャーナル紙と並んで有名な経済紙。
新聞各紙は発行部数の減少や広告収入の大幅な落ち込みで
経営環境が悪化しているのが実情。
こうした中での買収劇、その背景は何だろう。

ＦＴ紙は1888年創刊で、
サーモンピンク色の紙で印刷されていることで知られている。
発行部数は印刷物とデジタル版合わせ73万7000部、
このうちの7割は過去5年間で急成長したデジタル版での購読だという。

ＦＴ紙の親会社「ピアソン」は
教育事業に経営資源を集中してのビジネス拡大を狙うと説明。
日経にとっては、世界各地にある取材網や
デジタル事業に取り組んでいるＦＴ紙のノウハウ、
顧客基盤を強化できるというメリットもある。
こうした背景にあるのは、活字離れとネットの普及で購読者が減少し、
それに伴い広告収入の減少に歯止めがかからないという事情がある。
日本の各紙も人員削減や有料化した電子版に力を入れざるを得ない状況になっている。
こうした背景が、新聞業界の再編につながっているのだろうと推定する。