小児骨肉腫患者の長期生存を助ける新免疫療法薬mifamurtide欧州承認

欧州連合の法規および規制を監督する欧州員会は、切除可能な非転移性の骨肉腫（骨の癌の一種）の小児患者用治療薬を承認した。今回の承認は、テキサス大学のM.D.アンダーソンがんセンターおよび全米の共同研究グループの研究者らの指揮による臨床試験に基づいて行われた。

MEPACT（mifamurtide〔ミファムルチド〕、L-MTP-PE）は免疫学的療法であり、化学療法と併用した場合、死亡のリスクが約30%減少し、78%の患者が治療後6年以上生存した。この治療法は骨肉腫患者の長期生存率を改善するものとしては20年以上ぶりである。（略）

Kleinerman医師が最初に骨肉腫に免疫療法を使用するよう提案したのは、M.D.アンダーソンがんセンターの癌生物学部教授で転移研究センター長のIsaiah J Fidler医学博士（獣医学）がMEPACTによりマウスのメラノーマ肺転移の退行が誘発されることを証明した後であった。

「MEPACTにより肺のマクロファージが癌細胞を死滅させることをFidler博士が明らかにした時、この薬剤は頻繁に肺に転移する骨肉腫の患者の治療薬として可能性があると私は判断しました」とKleinerman医師は述べた。「私自身の臨床前試験により、私たちはMEPACTがどのようにして骨肉腫細胞に反応するヒト免疫細胞を刺激するのかを明らかにすることができました」と続けた。

MEPACTは、マクロファージと呼ばれる特定の白血球細胞を刺激することによって癌細胞を死滅させる効果がある。本薬剤は脂質で形成されている球体で、また嚢状としても知られる形に作られている。嚢の中身はムラミルトリペプチド（MTP）であり、この脂質がMEPACTを取り込むようマクロファージを誘発する。いったんMEPACTが取り込まれると、MTPは、特に肝臓、脾臓および肺のマクロファージを刺激し、癌細胞を発見し死滅させる。（以下略）※米国ではオーファンドラッグ。
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NCIブレティン