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グリベック耐性CMLの新薬

2005-02-11 | 血液、リンパ腫etc
2005/2/22  Dana-Farber Cancer Instituteとノバルティス社は慢性骨髄性白血病(CML)のニューデザイナードラッグAMN107を開発した。AML107は、グリベックの20倍の効果があり、グリベック耐性になったCML患者に用いられる。グリベックは異常チロシンキナーゼ蛋白のBcr-Abl機能をブロックするが、その結合はあまり強くないため寛解に至るのに時間がかかりグリベックと結合しないBcr-Abl抵抗性になる。AML107(nilotinib)は、半分がグリベックと同じ、もう半分が全く異なった構造を持つハイブリッド薬であり、グリベックよりさらに安定して受容体に結合するよう作られている。マウスの実験ではグリベックより長い寛解期間が得られ、グリベック耐性後再び寛解が得られた。
AML107はM.D.アンダーソンキャンサーセンターで初期の臨床試験が始まった。安全性が確かめられれば、Dana Farberや他施設でもCML治療に効果が確かめられる。現在も、単独、併用のどちらが効果的か、グリベックが有効なGISTなどでの効果などが研究中である。(Dana-Farber Cancer Institute)

グリベック耐性になったCML患者の治療薬としてブリストルマイヤーズのBMS-354825(dasatinib)の良好な第1相試験の結果も発表されている。


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