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食品添加物リン酸塩に肺癌の増殖促進作用

2009-01-26 | 肺癌
最新の最新の動物研究で、加工食品によく利用される添加物である無機リン酸塩を多く摂取すると肺癌の増殖を速める、もしくは肺癌にかかりやすい個人では肺癌を発症させることが明らかになった。同物質は肉、チーズ、飲料パン・ケーキなどに含まれている。肺癌治療にこの化学物質を含んだ食品の摂取を規制することは重要な役割を果たすのではないかと、ソウル国立大学の研究者は示唆している。この研究は、米国胸部学会のAmerican Journal of Respiratory and Critical Care Medicine誌に発表された。

肺癌の75%を占める非小細胞肺癌(NSCLC)は、90%で肺組織のシグナル伝達経路の活性化と関連しており、今回の研究によって、無機リン酸塩の多量摂取はこれらの経路を刺激することがわかった。
肺癌とは肺組織の細胞増殖が制御不能になった疾患で、シグナル伝達の混乱が正常細胞の悪性化させる。ほんの一部のシグナル経路が制御不能となるが、その経路は栄養素によって制御される。
リン酸塩は生物にとって必須の栄養素であり、一部の経路を活性化させるものである。
研究ではマウスにリン酸塩をヒトの生活と同程度の量与えて4週間観察して、肺組織を分析した。その結果、肺腫瘍の大きさは増し、増殖を促進していた。「少量のリン酸塩であっても生物には必須の役割を果たすのにたいして、水分保持や品質保持のために食品添加物として急にたくさんのリン酸塩を使用するようになり、大量に食物から摂取することになった。

1990年代にはリン酸塩を含んだ食品が成人1日平均摂取量470mg程度であったものが、今やさらに多様な食品に添加され、かつてより1000mgも増えている。0.5%がほぼ'正常値’であったが、今日では食物の1日平均のほぼ1%になっている。
Dr.Chuの今後の研究はリン酸塩の安全な摂取量を調べることである。
原文記事


2 コメント

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これですな (ちゃしば)
2009-01-26 20:58:29
Jin H, Xu CX, Lim HT, Park SJ, et al. High dietary inorganic phosphate increases lung tumorigenesis and alters Akt signaling. Am J Respir Crit Care Med. 2009 Jan 1;179(1):59-68.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18849498

私の専門領域ではないので非常に怪しげな訳ではありますが、抄録訳は寄稿しときましたぜい。
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いただきました ()
2009-01-26 21:45:07
とても意外な、それでいて当然といえば当然のような、盲点を突いたような研究結果だと思いました。
加工食品、添加物はやはり避けるのが無難ということでしょうか。

抄録訳、ありがとうございました。
韓国ってあまり出てきませんね。

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