未来への便り アドバンス

学校職員を定年前に辞めました。そして株式会社を設立しました。AIを学びながらブログの記事をアップします。

木を救おう-電子書籍eBookJapanの試み

2007年05月05日 11時57分27秒 |      +ブログ



前の記事で予告したようにここでは、電子書籍eBookJapanについて取り上げてみる。オンラインでの情報行動についての私見である。

たまたまB-PromotionでeBookJapanのモニターを募集していたので、早速応募してみたら、幸いモニターに選ばれたのである。こういう機会でもないと、文章にするということもないであろうから、この際、今まで考えてきたことを書いてみることにした。そのプロローグが、前の記事である。

eBookJapanで読める電子書籍は15000点を越える。カテゴリが面白くて「マンガ」「少女コミック」「コミック雑誌」「総合図書」「ダイナマイツ」の5ジャンル。このあたりに、私の関心事であるPCで本が読めるかというヒントが隠されているよな気がする。(ダイナマイツはいわゆる大人のグラビアや写真集ね!)コミックや写真集なら確かにPCになじむなあ。このあたりから電子書籍の普及を図るのは正解かもしれない。

さて、eBookJapanも専用のビューワーをダウンロードして見る方式。ビューワーをインストールするためには、マイクロソフトの.NETをインストールしなければならず、それで少し手間取った。自宅のPCではどうしてもインストールがうまくいかないのだ。せっかくモニターになれたのに、このままではイカンと、ノートPCにインストールしたらうまくいった。自宅のデスクトップのことは後で面倒を見るとして、とりあえず、ノートPCでアクセスして利用してみた。利用には会員登録が必要。決済にe-bankからの自動引き落としがあったので、それで登録。早速、一冊購入してみた。

選んだ本が、なぜか、岩波文庫の国木田独歩『武蔵野』。しぶい!





選ぶには理由(ワケ)がある。岩波の古い活字の本をPCでみて見たかったのだ。そう昔は活字といっていたよね。ほんとに植字工がアンチモンの活字を一字一字拾って職人技でページを組んでいっていた。それを元に活版をつくって輪転機で回していたのだ。個人的には、昔、学生新聞を作っていたのだが、ちょうど植字から、写植機、そしてパソコンに変る時代を体験したので、このあたりは懐かしいのだ。

 読んでみての感想だが、かつてはMACのお得意であったホワイトのバックにフォントが美しい。文庫本なので、100%表示でノートPCにぴったりと収まる。武蔵野は独歩があこがれる武蔵野(どこを武蔵野と呼ぶのかは、作品の中にあるが、独歩が考える中心は入間あたりのようだ、これはとても面白いのだが、テーマとは関係があまりないので詳細は略)を何度も逍遥しながら書いた随筆である。これがいつか書かれたか知って驚いた。文中に29年とあるので1929年かとも昭和29年かとも思ったが、なんと明治29年、西暦で1986年のことなのだ。ということは今から121年前に書かれたのである。読んでみて、ちっとも古びていない。風景は変ったろうが、自然を見る感性が古びていないのである。いまでは、おそらくトトロの森がある狭山丘陵あたりに、面影があると思うが、そこでこの作品を読み返しても新鮮に違いない。たびたびツルゲーネフが描くロシアの光景を武蔵野に重ねて引いているが、そのみずみずしさには驚く。

 さてここまで書いて、すっかりとPCの画面で『武蔵野」を読むことにのめりこんでいる自分を発見したが、今日は休み(GWまっただなか)で、気分ものんびりしているからかも知れないと、あくまでも懐疑的な気持ちを持ち続けている。ただ、いろんな読み方を発見した。付箋をつけたり、しおりを挟んだりできるので、このように記事を書く時などはとても便利だ。

それに自動ページ送り機能がついているので、ページを繰り手間もかけなくてもよい。ページを送る時間は設定できる。デフォルトで10秒だが、これは私には少し早いので20秒にして読んで見た。速読を訓練するのには絶好の機能に違いない!これはお勧めである。

ビューワーをあけると「SAVE TREES」のコピーと木のイラストが最初に見える。eBookJapanのコンセプトに本を電子化することによって木の消費が減るというものがあるのだ。より多くの出版社が参加して、コンテンツが充実すると新しい可能性が広がってくるだろう。理工書などが充実してくればじっくりと取り組んで見たいなあ。

eBookJapanでは友達に無料でeBookを贈るキャンペーンを行っている。このブログでも希望者に無料で国木田独歩『武蔵野』を贈ろうと思うので
blc_2005@goo.jpまでメールをください。eBookが少しでも普及すれば木が救えるし、コンテンツもさらに充実するよね!



キャンペーンバナー電子書籍のeBookJapan(イーブックジャパン)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オンライン雑誌「万葉」の試みについて(私見)

2007年05月05日 09時56分33秒 |      +ブログ

電子書籍についてはこれまでもいろいろと見てきた。最近ではアンカーパブリッシング発行のオンライン雑誌「万葉」(E-BookSystemsというシンガポールの会社のFlipViewerという専用ブラウザを使う)を楽しみにしている。


というのはPCでの情報収集に関心があるからで、オンライン教育の可能性を探ってみたいと考えているからだ。ビデオ教材にしても、オンライン教材にしても、ディスプレイをずーと見ているわけで、今も子どもたちのことはわからないが、私の世代(50台)には、PCをずーと見ている習慣がない。テレビは何時間でも見ていられるのだから、とも思うが、どうもPCで学習するというのはテレビを視聴するのとは違うようである。これはPCかテレビかという話ではなく、「学ぶ」という主体(私)がアクティブであることを要求されることに忍耐力がないということかなと思っている。

その証拠に、集合させてビデオ教材を見せると結構しっかりと勉強するが、一人で「学ぶ」とうまくいかない。これから大学も18歳人口が減ってくると社会人を対象とした教育を行っていくことになるだろう。そうなるとやはり、通信教育とかオンライン教育とかを取り入れていかざるをえない。質の高い教材を提供できるにも関わらず、独習するためには、「目標=学ぶ目的意識」、「計画性」、「視聴する環境」、「忍耐力」などが他律的でなく、自律的な力として要求される。

このオンライン雑誌は無料で購読できるので、広告で成り立っているということになる。(採算が取れているかはわからない)インターネット広告のひとつのビジネスモデルといえるし、クライアントは効果測定が容易なので、効果が高いとなれば出稿もふえるだろう。

そういうわけで、どれだけ読みやすいオンライン雑誌ができるか、音楽が付いたり、付属情報をハイパーリンクで見せたり、オンライン雑誌ならではの仕掛けが、どれだけ読者の心を捕まえられるか、注目している。

もうひとつだけ。雑誌を読むときのビューワーの性能がオンライン雑誌、書籍の普及にはかなり影響するだろう。あれだけTORON プロジェクトの坂村先生は、先進的に電子書籍のことを語っていたのに、なぜは、現在の電子書籍のビューワーの多くがシンガポール製や韓国製なのはどうしてだろう。実際、私の勤務する大学でも大学案内を業者に委託して電子カタログ化しているが、ビューワーは韓国製らしい。前にpdf化してアクロバットリーダーで読ませようかと思ったが、ページの移行が重すぎて使い物にならなかった。(それこそ、学ぶ意欲が高ければ、多少の操作のもたつき感は克服できるが、軽い気持ちでブラウズしてもらうには、ちと厳しい)

次の記事で電子書籍のeBookJapannについて書いてみる。これも前からの私の関心事である「書籍をPCで読めるか」ということについてだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする