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カミサンの子供の頃の話…
学芸会の配役を決める際
背景の森を誰がやるかが問題になった
目立たない森など
誰もやりたがらないのだ
その時、先生が幼い彼女に声をかけた
「森になれるのは ○ちゃんしかいないわ」と…
真剣な先生の視線が
幼い頃のカミサンに注がれた
「私しかいない…」
「先生に期待されている」
そう感じたカミサンは
先生の期待に応えようと
武者震いしながら
「はい、私、森をやります!」
当日、カミサンは見事に
背景の森を演じきった
“目立たない”という点では
アカデミー賞ものだった
学芸会を見学に来た両親さえ
森の役と知っていたにも関わらず
「何処にいるのか判らなかった…」と
それから数十年後
僕は彼女と知り合った
初めてのデートは
柴又の帝釈天だった
露店が並ぶ境内で
迂闊にもはぐれてしまった
携帯電話のない当時
僕は散々探し回った
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/f3/af449b450cc2bddfe989e78dc495f35e.jpg)
1時間ほどして
ようやく見つけたのだが
カミサンがいたのは
有名な団子屋の前だった
「何処行ってたの!
私、ずーっとここにいたのに」
と涙ぐみながら膨れっ面をしていた
カミサンを探している途中
僕は何度もその前を通ったのだが
全く見つけることが出来なかった
彼女は完全に風景に溶け込んでいたのだ
存在感がないという点で
カミサンは誰にも負けない
逆に僕は…
どんなに大人しくしていても
目立ってしまうのだが…
カミサンは 天然ドジ子さんなので
探偵は絶対に無理でしょう 笑
風景にとけこむ・・・探偵業にばっちりなのでは?