Cafe & Magazine 「旅遊亭」 of エセ男爵

志すは21世紀的ドンキホーテ?
はたまた車寅次郎先生を師に地球を迷走?
気儘な旅人の「三文オペラ」創作ノート

好きな作家(その1)「佐藤賢一」

2005-04-20 00:11:50 | 趣味の話&本と雑学メモ
「好きな作家」を紹介する?
ば、ばかな、、、
ついつい、アマゾンから抜き出したのがこの著作である。
ほかならぬ、「gooの投稿システム」のチェックをかねて、あれよあれよとアマゾンにアクセスして、キザにも「本の紹介」をするに至った。ほかにもあるが、今日は気楽に且つ中身濃く「エセ男爵」のブログの趣旨に若干ながらも則った上で、いざ投稿。
ちょっと、いってみようじゃないか、、、。

傭兵ピエール

集英社

このアイテムの詳細を見る


著者は佐藤君、たしか3年前、国立山形大学の文学部歴史学西洋史専攻の大学院生であった。
もう卒業していると思う。
彼はすでに『ジャガーになった男』で「小説すばる新人賞」をとっており、たしか、2作目がこの「本」である。
「傭兵ピエール」も「ジャガーになった男」も、背景は西洋中世の歴史である。
大学での彼の専攻は、西洋史。
紹介の2作とも、まずはしっかりと歴史的考証をバックボーンに当時の時代背景と風俗を描ききった舞台装置を用意し現れ出でる主人公脇役共々生き生きとストーリー内を奔放に駆け巡る独創性のある小説、と、看た。
作品の中に、作者の若さがあり知性があり見識がある。
専門的学問分野を修めた「緻密にして膨大な」脳味噌の引き出しから飛び出した『比類なきエンターテインメント小説』である。

さて、
我輩の極めつけ、
『何故に、ブログに取り上げたか?』・・・
理由がある。
すこし、それを述べる。
この本、一昨年まえ、我輩がバリ島に数ヶ月滞在中、日本を発つ前に購入した数冊の書籍に混じっていたものだ。
400ページを越える長編であるが、一気に3日で読みきった。
おもしろかった。
それで、
我輩、小説というものを読んで初めて涙を流したのがこの本なのだ。
なぜ涙が流れたか?
いわずもがな、感激したからである。
何に感激したからか?
それは、
私生児誇り高き不肖の輩、若き「傭兵ピエール」がジャンヌダルクを奥方に娶るまでのあれやこれや、という恋愛ものストーリーであるが、恋愛ごときで涙を流す我輩では、ない!
若いピエールの、気高くして不器用、一直線の人生観をそのままにさらけ出した「男の生き様」に感動したのである。
ドウってことはないが、品性を持ち、庶民の支持を得、凛として歩む人生を描かれると、なぜか涙が出てくることがある。
「エセ男爵」のブログタイトルも、無意識にor意識的に、これに似た『出処』はたまた単なる野暮な『粋がり』があるのかもしれない。