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狂犬病ワクチンの集合注射 

2010-04-02 02:29:23 | Weblog
毎年4月になると行われる狂犬病ワクチンの集合注射。
獣医さん的には、風物詩というか・・・毎年の定例行事と化しています。
野外でまともな診察なしで注射を機械的に行うことに対して、私は批判的です。
しかし狂犬病が蔓延していた時代に、命をかけて集合注射を行った獣医師の先達がいたからこそ、
撲滅状態(清浄地域)となっているわけです。

狂犬病は犬を代表とする哺乳類の動物が、噛み付くことで唾液からウィルスが侵入し、
発病した場合は、100%死亡する恐ろしい伝染病です。
私も生で体験したことはありません。
ビデオなどの過去の映像から、リアルに想像するに留まっています。
しかし、海外では普通に存在する疾患です。
アメリカでさえ、野生動物がウィルスを持っているため、撲滅さなれない状況です。

ワクチンを普及させる意義は理解できます。
今までの型式を崩したく無いのも事実でしょう。
ただ問題も山積しています。

公園などで集合注射する姿を春休みの子供たちが見ています。
犬の注射ってあんな感じ・・・、こういう記憶が残り、それが普通と思うはずです。
毎年、飼い主さんが転んだり、犬の首輪が抜けて犬が逃げたりします。
札幌市は数年前から集合注射を辞めたそうです。
各動物病院で行っています。
集合注射と動物病院で注射する際の差額となる診察料分を無くし、
集合注射と同額にすることで、解決できたと聞いています。
やればできるわけですね。

私は狂犬病ワクチンをしていない飼い主には、厳罰を与えるようにするしかない、と考えています。
注射や登録をしていなくても、大した罰則がないなら、そりゃあしませんよ。
税金の一種くらいにしか感じていない。
飲酒運転の罰則が強化されたら、いっぺんに交通事故死亡者が減少しました。
それだけ野放しだったという証拠です。

極論を吐けば、一度狂犬病の犬が発生すればいいのです。
パニックになると思いますよ。
その時になってから全ての犬にワクチンを打とうとしても、数が足りない。
製造が追いつきませんから。例年分の備蓄以上は存在しません。
喉元すぎれば熱さ忘れる・・・人間とはそういうものなようですね。

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