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リンパ腫が続くとは・・・

2014-09-19 23:09:55 | Weblog
先日、体調不良でいらした柴犬のワンちゃん、エコーで不思議な病変が腹腔内に見つかりました。
腹水も微量ながら増加していました。
腫瘍が十分に疑われ、CT検査のできる病院に紹介して検査していただきました。

エコーで私が確認していた病変は、リンパ節の一部だったらしく、
腹腔内にある複数のリンパ節が腫大していたようです。
その時に実施した細胞診の結果が、今日届きました。
悪性のリンパ腫でクローナリティはT細胞性であり、ステージは5b と判断されました。
専門家が血液を見ると、少数ながらリンパ腫の細胞が末梢血にも出ていたもようです。

抗がん剤による化学療法の適応なのですが、ご家族からは費用的に一番良さそうな方法は選べないと聞いています。
自由診療である動物病院の辛いところですね。
少しでも快適に過ごせるように、できる限りの手を講じたいと考えています。

他方、風邪のような症状を引きずっていた猫に、鼻腔内リンパ腫が確認されてしまいました。
小さい頃から鼻風邪のような症状は引きずっていたみたいです。
7月の検査ではレントゲンとCTで、気管支肺炎が疑われていました。
鼻腔内に腫瘍性の変化は確認されませんでした。

その後の対症療法では完全に良くはならず、先日鼻の中を調べていたら腫瘍細胞が出てしまいました。
今日、専門家の判断が届き、鼻腔内リンパ腫と確認されました。
肝臓の一部にも小さなしこりがあるし、気管支肺炎の所見も続いています。
鼻腔が原発なのか、肺や肝臓が原発なのか・・・、どれかが転移なのかは判断困難です。

体調がすっきりしない場合や診断がはっきりしない場合は、
発熱が続く場合や貧血などでは、やはり腫瘍を疑ってしまいます。
特にリンパ腫は多いですね。
抗がん剤や放射線治療が適応なのですが、費用やリスクのからみから、
誰でも受けさせてくれる治療方法ではないのが実状です。

治らないとしても、できる限りの手は尽くしてあげたいといつも思っています。