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また子宮蓄膿症・・・

2014-09-11 23:55:55 | Weblog
今朝の初診で、子宮蓄膿症のワンちゃんがまたやってきました。

食欲と元気の低下、多飲多尿、嘔吐、よく見ると、陰唇腫大、腹囲膨満でした。
これで子宮蓄膿症を疑わない獣医さんはいないでしょう。
学生か初心者の獣医さんなら、わかりやすくて良かった・・・、そんな感じになるでしょう。
診断は難しくない・・・でも心配なのは体力の有無、合併症の有無です。

子宮の細菌感染によるエンドトキシン血症、腎不全、凝固異常、
よくある合併症に膵炎、甲状腺機能低下、クッシング症候群、DIC・播種性血管内凝固症候群など、
「あなどれない」疾患の代表ですから。

手術はそれほど難しくはない。
心配なのは、麻酔と術後管理ですかね・・・。
急変もありえますしね。

今回は、飼い主さんがお医者さんなので、リスクの説明をご理解いただけていると感じています。
十分な術前検査をさせていただけているので、明日の検査結果を見てから手術ですね。
現時点ではミニチュア・シュナウザー特有の、高脂血症(脂質異常症)が顕著です。
中性脂肪は500 over でした・・・。
胆石もあります。
急性炎症の指標・CRP値はふっとんでいます。

腎不全なし、膵炎あり、DICではないがAPTT値が延長、軽度の僧帽弁閉鎖不全あり、
クッシング症候群と甲状腺機能低下症を除外したら、念のための輸血準備で手術にいくぞ!
と看護師たちに気合い入れまくりしてました。
あ、ちなみに冷静に手術に臨みますからご心配なく。
心配なのは麻酔だけ、東京から麻酔の専門家・長濱正太郎先生を呼び出そうかな・・・。