日々の出来事

当院の出来事を紹介します

術前CT撮影

2011-08-05 22:46:36 | Weblog
今日は新潟まつりの民謡流しの日でしたね。

CT撮影のため、午後から院外にでました。
道路の規制がもっと厳しいかと思いましたが、案外順調でした。
CT撮影を終えてから明日の手術の準備をして、民謡流しの見物に出かけました。

患者さんは猫、嘔吐と食欲不振で来院しました。
エコー検査で腹腔内に腫瘍が見つかりました。
いきなり開腹してアプローチする場合もあるのですが、
私はなるべく術前にCTで体の中の状態を撮影するようにしています。

高精度のエコー(アロカ社のα7)でかなりの状況がわかるのですが、
やはり立体感が違うのですね。
3D画像の出せるエコーのソフトもあるようですが・・・。
CTでは、隣接した臓器との関連性や血管との兼ね合いがよくわかります。

今日のCTは3D画像を構築してもらいました。
腫瘍は右の腎臓の尾腹側にあり、大動脈からの太い血管が直接腫瘍に入っているようです。
おそらく消化管(小腸)の腫瘍だと思われますが、開腹してみないと、
どのように切除していいか、やってみないとわかりません。

それでもエコーやCTによる立体画像があると、開ける立場としてはイメージが違ってきます。
以前、人の医療現場で、手術室に iPad に出したCT画像を映し出して手術しているシーンを見ました。
そういう時代に動物病院もなってきているわけなんですね。

時間外を診ていることの現実

2011-08-05 00:16:05 | Weblog
先日の夜、病院に電話がかかってきました。
初診の方でした。
日曜の夜で、かかりつけも他の動物病院もどこも電話に出ない・・・、
犬が骨折したみたいなので、診て欲しいとのことでした。

私は転送された電話を外出先でうけ、出先から約束した時刻前に病院に戻りました。
来院した犬は、間違いなく骨折でした。
検査と術式検討のため鎮痛剤を注射して入院としました。
問題は、その後にかかってきた電話の内容です。
通うには遠いので、自宅近くの動物病院に行きたいから退院させて欲しいとの要望でした。

私は、手術が必要であり、それ相応な術式を考えて費用やリスクをご説明してありました。
遠方であることが要因なのか、費用の見積もり等が受け入れがたかったのか、
はたまた私自身を信用していただけなかったのか等については、私にはわかりません。
いずれにしても獣医師はご家族のご意向に従うしかないのが現実です。

夜間の時間外に無理して診察しても、翌日には近所のかかりつけに戻ってしまう。
「いいように使われている」と感じるのは被害妄想でしょうか?
ひどいケースでは、真夜中や未明に電話してきて「今やってますか?」
と聞く人もたまにいます。
「こんな時間にすみません」がないのです。

お金を支払う私たち消費者側に選択する権利がある・・・、
あるいは電話で相談するだけならタダだよね・・・、
まあ確かにそうなんですが、当事者としては切ないのですね。
疲れていても、寝ていても、締切が来ていても、診なくてはならない時がある。
そういう使命感から電話に出ているわけですよ。
言葉の話せない命の問題だとわかっているから。

「今日は助かったよ、じゃあとはこちらで適当にやるから、さようなら・・・」
こんな感じの人がいるんですよね。
そこに感謝はあるのかい?と思うことがあります。
「先生、こんな時間に診てくれてありがとう!」
っていう反応があるかないかは重要です。
感謝があるかないか・・・これは医療関係者にはどうしても必要な報酬なんですよ。
しかし「俺っていいように使われているなあ」、と思うことが増えました。