日々の出来事

当院の出来事を紹介します

脂肪肝パート2

2008-01-07 23:30:37 | Weblog
先日入院していた猫は確実に脂肪肝だったのですが、血液検査の塗抹標本でおかしな細胞が出ており、脾臓が大きいため針吸引細胞生検をしてみたところ、リンパ腫という悪い病気が見つかりました。単純な脂肪肝ではなかった訳です。使える薬剤が限られるため、専門家の先生方に意見を聞いて治療に当たりました。裏には裏があるというか、単純明快ではない場合もあり、臨床の面白さと難しさを痛感しています。

脂肪肝

2008-01-07 00:22:19 | Weblog
脂肪肝、と言うと食べ過ぎてなるイメージを持つ方が大半です。人ではお酒の飲み過ぎや食べ過ぎでおこるようです。動物の場合、犬ではないようですが、猫では食欲不振に伴う絶食で脂肪肝が高率に発生します。絶食により体脂肪が使われ中性脂肪となって血液を介して肝臓に流入します。そのままエネルギーに変換されればよいのですが、猫はこの変換効率が悪いため肝臓に貯まりやすいのです。従って、点滴の他に高カロリーな食事をチューブを利用して与えることが必要不可欠です。脂肪肝なのに高カロリー食を与えることが治療になるなんて、ちょっと不思議な感じがしませんか?