日々の出来事

当院の出来事を紹介します

ステロイド剤の功罪

2006-02-18 09:02:35 | Weblog
『ステロイド』という用語を聞いたことがある方も多いと思います。副腎皮質ホルモン剤の略称です。最近この薬剤の使用に関して、強い偏見があることを体験しました。ステロイド剤イコール有害、したがって使用イコール悪・・・これはちょっと問題です。なぜなら適応の疾患と非適応の疾患は分かれているからです。確かに漫然と長期間に使用することがよくないことは事実です。しかしながら使用するべき疾患に使用しない、これもまた問題なのです。人に比べて犬は比較的ステロイド剤に強く、猫は相当に強いのです。先日、1ヵ月間膀胱炎が治らないという猫が゛来ました。抗生物質だけが長期間にわたり投与されていました。尿の培養検査では細菌感染は否定されましたので、ステロイド剤の使用がのぞましいと考えたのですが、体に悪い薬だから使用を拒否する、とのご意見でした。短期間なら猫には安全なお薬なんですよ、とご説明したのですが理解と同意が得られませんでした。一度信じて身についた常識を入れ替えるのは、難しいものなんですね。

さまざまな勉強会

2006-02-18 08:32:50 | Weblog
知識や技術を身につけ、よりよい診療につなげていくため、診療時間外にさまざまな勉強会に参加しています。昨日は近しい仲間うちで獣医大学から専門医の先生をお呼びして、10人ばかりの内々の勉強会を行いました。診断に苦慮する症例を検討しました。実際に患者さんである犬を持ち込んだある先生は、困っていた症例を仲間の力を借りて、確定診断にいたることができました。すばらしいことだと思いましたね。お互いに不足している経験・知識・技術・考え方等を補いあっているわけです。誰に相談することもなく、自分の病院の中だけで囲いこんでしまうような診療をする時代は終わったのです。