俺もお前も人生の敗北者

とりあえず否定から入るネガティブ思考で常にB級嗜好なATOPのブログ

土門拳

2009-03-06 23:30:11 | 今日この頃
昨日は日本橋三越7階で開催されている生誕100周年記念展「土門拳の昭和」を見てきました。非常に楽しかったです。

単純な感想として人がめっちゃ多い(汗。完全に遊園地のアトラクション前でぞろぞろ歩く感じでした。お客さんの年齢層は60以上の人が大半で、私が一番若かったかもしれません。

関係ないですけどあの世代の人たちの図々しさには恐れ入る。堂々と人にタックルしてきて謝らないとか、背が低いからと思ってるのか割り込んできても平然としているとか、睨んでて目があったらそそくさと退散していくあたりはさすがです(何。

まぁ、それは置いといて、写真展ですが最初入ったところにあった作品は『正直微妙だなぁ…』と思っていたんですが、奥に進むにつれて『やべぇ、天才やん、この人!』って思える作品ばかりでした。

テーマは昭和なんですが、年代としては戦前から戦後で、あーこれが昭和か!って思える作品が並んでいました。なかでも印象に残っているのは、出征祝いの写真。母親だけが涙をみせているなか、周りは笑顔でお酒を楽しむ姿は感慨深いものがありました。

それ以外にも浅草や銀座の昔の写真、昭和20年ごろの生活姿も見ていて心奪われるものがありました。今にはないものがあるからこそ良い時代といえるのかもしれないですね、本当にそう思いました。でもまぁ、だからといって今生きているこの時代が悪いわけじゃないですけどね。昔にはない良さが今の時代にもきっとあると思います。

それとですね、肖像写真も素晴らしかったです。川端康成、三島由紀夫、岡本太郎、棟方志功…たくさんの芸術家の写真を撮っていますが、一番印象に残ったのは尾崎行雄の写真でした。白薔薇、アメリカのソメイヨシノ、東京市長で有名な尾崎行雄。彼の晩年の写真を始めてみました。政治家としてなんかもっと力強いイメージがあったんですが、力強さはなく、むしろ繊細な感じがしました。まぁそれでも気むずかしさというか厳しさを感じましたけど。

土門拳は説明によると「風景をわざわざ撮りにいったことがない」と言っていたそうだが、風景写真は普通じゃない。飛び出して見える写真。浮き出て見えるんですよ。あれは凄かった、一見の価値あります。

開催は8日までです。900円なんでぜひ行ってみてください。