ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

すだち酎

2016-09-04 08:14:59 | 食材

 すだち酎は焼酎だ。日本にいるときはその存在を知らなかったが、阿波の国徳島県の名産焼酎であり、かつては農林水産大臣賞を受賞している銘酒だ。すだちは徳島県の県の花ということだ。20代の頃に比べて、ビールを何杯もゴクゴクと飲み干すことに少し抵抗を感じ始める独身日本式サラリーマンも多いはずだ。何せ腹が出る。そして「何か新しいお酒を始めようかな」と考えている人には、このすだち酎を推奨します。


このお酒の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①入手場所と値段
残念なことに、この酒は外国人に受け入れられている様子はない。サンマテオ近辺ではニジヤでしか手に入らない貴重種だ。よってこれを読んだ日本式独身サラリーマン諸氏が一斉に求めると品薄になりかけないと危惧しているので、筆者はこれを書く前に二本購入している。値段は750ミリリットルで19ドルになる。


②デザイン
いかにも日本の南国を思わせる装丁で、上半分が白、下半分が黄金色のラベルに相田みつを氏のような文字で“阿波の香り すだち酎”と書かれている。酎にはカタカナで“チュー”とルビが売ってあるので親切だ。


③味、飲み方
ロック・水割りで飲めるが、圧倒的にお勧めできるのは焼酎ハイボール、略して酎ハイだ。グラスにてきるだけ沢山の氷を入れ、そしてすだち酎を3、ソーダ水を7で注いで混ぜる。
すだちの果汁の酸味と皮の苦みが泡と一緒に弾けて口の中に広がり、一度グラスに口を付けると、まるで樹液を吸う甲虫のように口を離すことができず、一気に吸い尽くしてしまう。そしてすぐさま次の酎ハイを注ぐ。

アメリカではSAKEブームは起きているが、Syotyuブームは未だきていない。なかなかその味が白人には受け入れられないのだろうか。いつか胸毛の生えた白人、オーバーオールを着た黒人、そして口ひげを蓄えたヒスパニックらが焼酎談義に花を咲かせるシーンが日常的になればいいとは思うが、このすだち酎が品薄になるのだけは勘弁だ。

OKABASHI

2016-09-03 18:18:44 | 生活
 OKABASHIは全米に展開しているサンダルメーカーだ。日本でもアウトドアに興味を持つ独身日本式サラリーマン諸氏は,OKABASHIのサンダルを目にしたことがあるかもしれない。「ちょっとスーパーまで」や、「ちょっとガソリンを入れに」などといった外出時にサンダルが必須であるという事実は、日本でも米国でも変わりない。だが、なかなかピタッと来るサンダルが見つからないのが米国だ。広く売られているビーチサンダルはすぐに鼻緒が切れて、外出先で悲しい目にあう。高いお金を出せば、アウトドアショップに相応のサンダルが売られているが、「ちょっとスーパーまで」行くのには気楽さが出ない。そして案外ダサいものが多い。その全ての問題を解決するサンダルが、このOKABASHだ。

このサンダルの特長は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。

①入手できる場所
何とこのOKABASHIは、ドラッグストアで手に入る(CVSやWalgreen)。これらの店のサンダルコーナーはたいてい雑然としており、SEXも種類もサイズもへったくれもない感じで数種類のサンダルが吊り下げられているが、その中で燦然と輝く質量感たっぷりのサンダルがあり、これがOKABASHIだ。

②値段
他の雑魚サンダルと異なるので、やや高値だが15ドル程度だったと記憶している。

③特長
ビーチサンダルのようなシンプルなつくりで、履きやすい。それでいて硬質ゴム系の材料は剛健で、鼻緒の部分もしっかりしている。また、人間工学を駆使したソールの形状は足にフィットし、履き心地もよい。“俺はサンダルにこれを求めていたのだ”というものがOKABASHIにはある。そしてどこかしら学校の便所サンダルのようだ。
色の種類は、多くの種類が存在するらしいが、ドラッグストアでは茶・黒・カーキを発見した。筆者はベランダ用と外出用に二足購入した。

このOKABASHIサンダルが日本とどのような関係を持つのかは、少し調べたが不明だった。だけどこのサンダルは日本の学校の便所サンダルにヒントを得ているのではと個人的には思っている。リサイクル材料で作られているらしく、地球環境への姿勢を感じる。ヒールの高い女性用のOKABASHIもあるので、独身日本式サラリーマン諸氏は、遠い祖国で息子を想う母へのプレゼントなどにしてはどうだろうか。

2016-09-02 23:57:11 | 食材
 鯖は魚だ。日本では古来から食用として愛されてきた青魚であり、鱗がない。ある程度の教養を持つ独身日本式サラリーマン諸氏ならば大分の関サバや、京都と福井を結ぶ鯖街道などから、日本人と鯖の深い関係を知っていることであろう。ここ米国でも、エセと言ってもいい日本料理店ですら鯖の塩焼き定食が置かれている場合が多いので、外国人にとっても“鯖と言えばニッポン”という意識があるに違いない。中華料理でもベトナム料理でも、フィリピン料理でも鯖を口にした経験を筆者は持たない。だが不思議なことに、ここカリフォルニア州では中華系スーパーや、比国系のスーパーで鯖が大量に、しかも安価で売られている。

この食材の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。

①入手方法
上述したように、中華系スーパーの99ランチマーケット、比国系スーパーのシーフードシティで購入でき、日系スーパーのニジヤでも買える。ただし、ニジヤの場合はまるで日本のように切り身で売られているのに対して、他の2つは氷の上にまるごと一尾が乗っかって売られている。どちらのスーパーも気に入った魚の内臓を取ってもらうことができるし、99ランチはぶつ切りにもしてくれるが、せっかくだから丸ごと家に持ち帰って自分で捌いてみるといいだろう。

②サバの選定
鯖街道のエピソードにもあるように、サバは傷みやすい。築地にやってきた寿司職人のような気分でよく見定めることだ。目が黒く、手で持ったときにダラっとしない硬直しているものがよい。腹の部分に黄色い線があるものは見た目が気持ちが悪いが、鮮度のよい証拠で“金筋”と言われるものだ。

③捌く
今はとても便利な世の中になった。YOUTUBEに鯖の捌き方を乗せる物好きが沢山いるので、彼らを参考にすることだ。そして、捨てる部分(内臓や頭や骨)は買ったときに入れてもらえるビニル袋に入れてしっかりと空気を抜いてしばって、何なら二重にしてやることだ。さもないとゴミ捨て場にカラスがたかり、近所迷惑になる。

④調理
煮ても焼いても食える。焼く場合は、カレー皿に、カレー皿より一回り大きな金網を載せ、その上によく塩で揉んだサバを載せてオーブンへ入れる。持っているオーブンの最高の温度で20分も焼けばできる。煮る場合も簡単だ。日本式独身サラリーマン諸氏は、“煮る”という行為を非常に難易度の高いものと勘違いしがちだが、本当は焼くよりずっと簡単なので試してみよう。

鯖を一尾丸ごと買ってきて調理するという、日本ではなかなかやらない豪快な遊びだ。1パウンド2ドル程度なので、日本の鯖に比べたら段違いに安いし、捌いたあとに冷凍保存しても全く問題ないので余っても気にならない。特に比国スーパーの鯖は、近海で捕れたサバのようで、これは本当に脂が乗って香ばしく、焼酎や日本酒に合う。全国の鯖アレルギーの方々の不幸を背負い、一心不乱でパクつく。