ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

FMラジオ100.3

2016-12-12 23:38:54 | 生活
 FMラジオ 100.3は、ベイ・エリアで聴くことができるFMラジオの周波数だ。1990年代に、週ごとに目まぐるしく変わるヒットチャートや新譜の発売情報に胸を高ぶらせ、レンタルCDショップに足しげく通い、MDに気に入った歌謡曲を録音し、“俺ベスト”的なものを作ったりすることが青春だった30代独身日本式サラリーマンの音楽的素養は高い。諸氏は無意識のうちに80年代シティ・ポップやパンクの名残、ユーロビート、ビジュアル系、黎明期のヒップホップ、SMAP、そして渋谷系といった多種多様な音楽を聴いて育ったのだ。加えて、MTVやスペース・シャワー・TVといったテレビが絶えず洋楽を運んできてくれていた。さらに、紅白歌合戦などで現役の美空ひばりを見た最後の世代でもある。そんな音楽的にソフィスティケートされた諸氏にも喜んでもらえるクオリティの高い音楽ラジオが、この100.3なのだ。


このラジオ局の特長は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。


①概要
FM100.3はKRGBというラジオ局で、開局は1960年代、歴史あるラジオ局だ。サンノゼ市にラジオステーションがあり、主にスパニッシュ・アダルト・ヒッツ ミュージックを放送している。


②スパニッシュ・アダルト・ヒッツ ミュージック
J-ポップがそうであるように、スパニッシュ・アダルト・ヒッツ ミュージックと言ってもそこには多くの種類の楽曲があるが、比較的スローなナンバーが多く、懐かしい気分にさせられる。時にフレンチ・ポップ風、昭和歌謡風、ソフト・ロック風、山下達郎風、細野晴臣風、火曜サスペンス劇場のエンディングソング風などのメキシカン・ポップを堪能することができる。既聴感が強いのに新しい、不思議な音楽たちだ。ボーカルはエモーショナルでビブラートが効いたカンツォーネ風な歌唱の場合と、やたら無機質で高温な歌唱の二つに分類される。


③効用
カリフォルニアのラジオで流れる曲は、たいてい暑苦しいダンスチューンで、同じフレーズを何度も繰り返し、こちらの都合を無視して勝手に盛り上がっていくので、車の中で聴いていると気が滅入る。歌っている暑苦しい男とその後ろで踊る数人の女の姿が容易に想像できる、安い音楽ばかりだ。そしてその曲が何度もかかるので、本当にうんざりするものだ。運転に支障を来す。それに比べてスパニッシュ・アダルト・ヒッツ ミュージックは安定しており、勝手にスパークしない。どこか牧歌的で、哀愁を誘うため、車からの景色にも色を与え、運転も楽しくなるというものだ。割り込みしてくる車にも優しい気持ちで対応できるだろう。


師走だ。日もすっかり短くなり、交通事故が増加する季節になった。日本式独身サラリーマンは、家路を急いだところで誰かが待っている訳でもないのだから、100.3を流しながらのんびりと安全に行こう。自動車によって広島原発10発分に相当する死者が毎年発生していることを忘れずにいこう。