goo blog サービス終了のお知らせ 

ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

龍耳酥

2024-04-28 01:12:24 | 食材
龍耳酥とは、中国産のスナック菓子のことである。“酥”という文字は日本人には馴染みがないが、アジア系のスーパーマーケットのお菓子のゾーンを歩いているとよく見かける。それは“ソ”と読み、牛や羊の乳で作った飲食品を意味するようだ。最近の筆者の職場での昼食はもっぱらこういったスナック類であり、楽しそうな商品を買っては試している。そこで見つけたのがこの龍耳酥だ。紹介したい。2024年は、ゴールデン・ウィーク直前に1ドルが158円という40年ぶりの円安となり、通貨危機だの生活ひっ迫だのと騒ぎになっているようだ。


このクッキーの詳細が以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①龍耳酥を購入する。
こいつともまたフィリピン系スーパーのパシフィックで出会った。日本と同様に袋詰めがメインのお菓子コーナーに、ネスカフェ・エクセラの半分くらいの高さの寸胴プラスチック容器が鎮座しているので目につきやすい。容器が透明で中身がよく見えるのも一見さんの購買ハードルを下げてくれる。そこにはその名のとおり、耳のようなかたちのカステラ色のクッキーがぎっしり入っている。だが“龍の耳”というよりはニンゲンの赤ん坊の耳のようだ。派手さの無いシンプルなラベルには好感が持てるし、大きさの割に低価格(3ドル弱)なのも気に入り、購入にいたった。


②龍耳酥について調べてみる。
とりあえず“龍耳酥”をグーグルトランスレーションで和訳してみると、“ドラゴンイヤーサクサク”という珍妙なワードがアウトプットされた。酥には、上にあげた意味以外にも、“サクサクした、フレーク状の”という形容詞的な意味もあるようだ。また、龍耳酥で検索しても同様な商品があまり出てこず、猫耳酥という名で同じような商品が多くヒットするところから、龍耳酥は、毎日生机(毎日活力!という意味らしい)という会社の商品名のようである。


③龍耳酥
小麦と砂糖と大豆脂と塩、そして各種添加物でできたシンプルなクッキーは、カリカリになったカステラのような風味で、歯ごたえ・味とともにたいへん素晴らしい。ポリポリポリポリとすぐに食べきってしまう。それでいて脂質が7%と少なく(ちなみにカルビーのポテトチップスで40%ほど、東ハトのキャラメルコーンが33%である)、胃もたれしないのも嬉しい。プラスチック容器なので、リュックに入れても潰れる恐れがないのも便利なので、今や筆者の強力なランチアイテムとなっている。


筆者が購入しているのは、“原味”、つまりオリジナル味だ。調べたところその原味の他にネギの画が書かれたものがあるようだが、今のところパシフィック・スーパーマーケットでは発見されていない。どうやらこの“毎日生机社”は広東省にあるようなので、広東省付近で暮らす本ブログの読者は、情報を得たならば教えてほしいものである。ちなみに貯金額の半分をドル、半分を円で持つ筆者は、円安が得なのか損なのか判らない。ただドルにせよ円にせよ、紙幣の価値は上がりそうにないので、龍耳酥は買いだめするのが正解のようだ。

ニュー・パシフィック・スーパーの総菜コーナーで手に入るスメルトのフライ

2024-04-20 23:30:31 | 食材
ニュー・パシフィック・スーパーの総菜コーナーで手に入るスメルトのフライとは、フィリピン系のスーパーマーケットのパシフィック・スーパーのうち、新しい方のパシフィック・スーパーの総菜コーナーで手に入るスメルト(魚)のフライのことである。30代独身日本式サラリーマンはまだ揚げ物が好きだ。だが、宅で揚げ物料理をするほど暇ではない。故にニジヤ・スーパー・マーケットの総菜コーナーで、唐揚げや牡蠣フライ、鰺フライなどが置いてあるとついつい手を取ってしまうものだ。しかし揚げてから時間が経ったそれらの揚げ物はジメジメしていて、意識では覚悟しているくせに無意識のうちに期待している揚げ物との相違にやや落胆し、ときに自分を見失いそうになる。だから今日は、フィリピン系のスーパーマーケットのパシフィック・スーパーのうち、新しい方のパシフィック・スーパーの総菜コーナーで手に入るスメルト(魚)のフライを紹介しよう。


このフライの詳細は以下のとおりだ。サンコーにしてほしい。



①新しい方のパシフィック・スーパー
豆菓子やスナック菓子などで、最近再三紹介しているサウス・サンフランシスコ市のフィリピン系スーパー“パシフィック”には、“古い方”と“新しい方”があることが、このほど判明した。筆者の宅から近いエルカミ通り沿いの、昭和の水族館のような暗い建屋の方は古い方である。そこから何と車でたった5分の場所に“新しい方”があるのだ。売っているものに違いはないので、こんなに近くに二店舗構える意味が不明である。それでも新旧のパシフィックには臭いや雰囲気にかなり違いがあって、それだけでもいろいろ紹介できるのだが、ここでは多くを述べない。ただ“新しい方”には、買い物コーナーとは完全に分離されたシステムで、清算レジの隅っこに総菜コーナーがある。



②新しい方のパシフィック・スーパーの総菜コーナー
その総菜コーナーは、基本中華風だが、豚肉のアドボや鶏モツ煮込みなどと、普段は見ないフィリピン臭があるので、筆者には目新しくて嬉しい。トレイに並ぶ総菜を1品か2品選び、フライド・ライスか焼きそばか、はたまたビーフンと合わせて弁当方式で購入する方法と、単品を重さ当たりの単位で購入するシステムになっている。立派な肉料理がパウンド当たり10ドル前後で売られているのでかなり安いのは、おそらくは賞味期限が切れかけのものを使っているからに違いない。総菜カウンターの左隅には揚げ物コーナーがある。これも筆者の知るところの中華総菜コーナーでは見ないもので、そこにスメルトのフライがあったので、『おやおやおや・・・』と筆者は立ち止った。




③スメルト
北米で売られているスメルトとは、尾びれがやや黄色く、小指くらいの大きさの小魚で、少し調べたところ日本ではワカサギに類するようだ。この魚は北米のアジア系スーパーでは一般的で、鮮魚コーナーのトレイにいつも山積みにされている、筆者は幾度か購入し生姜醤油で煮たりしたことがあるが、魚自体の味が淡白で、そのうえ水っぽいので煮物としては美味とは言い難く、敬遠していた、だが新しい方のパシフィック・スーパーの総菜コーナーで『カラリ』と揚げられたスメルトにはポテンシャルを感じたので、パウンド17.99ドルとけっこうな値段にも関わらず購入に踏み切ったのであった。1パウンド頼むと大きな弁当箱大のプラ箱にいっぱいのスメルトのフライが入れられる。



④ニュー・パシフィック・スーパーの総菜コーナーで手に入るスメルトのフライ
これがなかなかどうして美味なので、筆者は2022年の12月以来のデストラーデ選手ばりのガッツポーズを一人長屋でキメたのだった。高温の油で水気を徹底的に抜かれた『サク!』感はスナック菓子のようで、水っぽい魚の味も引き締まってほんのりとシシャモ風の香りがする。しかもこいつは冷蔵庫で数日寝かせていてもサクサク感はなくならないのが嬉しい。おそらくは高温調理で体内の水分のほとんどを奪われてしまっているからだどう。重さ当たり単価が高いのもうなずける。ただやっぱい味が淡白過ぎるので、ゆかりふりかけをかけたり、マヨナーズをたっぷりつけたりすることで、酒の肴としての楽しみは倍増する。



今、頭木弘樹と言う人の『食べることと出すこと』という本を読んでいる。これは病気になってしまい、当たり前のものと思っていた食事と排泄が困難になったことから、それを見つめなおしたものだ。とても面白い。筆者は、せっかく外国にいるのだから、異文化の人の当たり前に触れながら、自分の当たり前を楽しく見つめて居たいと思っている。2024年は震度の大きな地震がアジアでも北米でも頻発していて、さらにはインドネシアではこのほど大きな火山の噴火があったようだ。人口技術に慢心するニンゲンたちにとっては自然の力には逆らえないことを再度認識する良い機会で、余計なことに腹を立てたり、些細なことで人に殺意を抱くことの無意味さを感じることができればよい・・と思うのだが、そうもいかないようだ。昨晩も憎たらしい出来事があったので、イライラしたのでスメルトのフライをドカ食いしたのだ。

岡山の辣豆瓣

2024-04-14 02:02:41 | 食材
岡山の辣豆瓣とは、台湾製の豆板醤商品である。“醤(ジャン)”、つまり麹と食塩を利用した発酵調味料は、東アジアの食生活に大きな影響を与えたが、その起源は東南アジアの貧しい土地で、雨期に獲れる川魚の保存を目的としたものだと、そのむかしYouTubeに落ちていたNHKのドキュメンタリーで見たことがある。一方で唐辛子が東アジアに広まったのは、大航海時代以降の15世紀と、比較的最近である。つまり豆板醤やコチュジャンなどの唐辛子が入っているジャンは、『けっこう新しいジャン!』とも言えよう。日本人が、日式醤(味噌)に唐辛子を混ぜる行為をしなかったのは、肉食文化が薄かったからだろうか。などというジャンダンギ(醤談義)はここまでにし、ここでは岡山の豆板醤を紹介する。2024年の4月の初旬は台湾でけっこうな地震起こり、北米でもマグニチュード4前後の地震が連発し、そして楽しんごさんが入籍した。


この豆板醤の特長は以下のとおりだ。参考にしもらいたい。



①中華系スーパーで楽しい醤めぐり
今更だが、北米の中華系スーパーの調味料コーナーは魅惑的である。特に東アジア諸国に国力が付いてきた昨今は、富裕層を対象にしたこだわりを見せる商品が増え、(円安の影響もあるのだろうが)時には日本の商品より高級なものまで見るようになったので、興味深い。醤もまた様々な商品が並ぶ。とはいえ調味料は買う勇気はなかなか持てないものだ。何故ならそれは、あらゆる食材の中でもアイデンテティに触れる非常にナショナルなものであるからだ。未知の調味料には遺伝的な忌避感がある。加えてたいていの調味料はそれなりに量があるので、遊び半分には手が出せない。なので調味料コーナーは、その魅惑とは裏腹に、基本的には素通りなのだ。



②岡山の辣豆瓣
ただし岡山の辣豆瓣は違った。市民の購買意欲を煽る鳳凰だの竜だのが描かれた大げさなデザインの瓶詰が並ぶ醤コーナーで、岡山の辣豆瓣はまるで薬局で与えらる飲み薬のような無味乾燥なシンプルさがあり、逆に目を奪われる。その安っぽいプラスチック容器に貼られた白いラベルには文字のみが並び、唯一の絵柄デザインは“岡”と“山”の間の印鑑風の屋号で、事務的な雰囲気が漂う。その屋号やラベルの内容をよく見ると、“岡山”は商品名、ブランド名のようなもので、製造会社は聯合食品工業という会社のようだ。さて、実はこの岡山ブランドにはいくつかの種類があり、辣豆瓣は“唐辛子入りの豆板醤”である、つまり『新しいジャン!』というわけだ。別に唐辛子の入っていない“豆瓣醤”という商品もある。



③使い方と味
似非30代独身日本式サラリーマンは、モツ肉に練り込むつけダレとして利用したり、鍋物に二さじほど入れたりして楽しむ。ソラマメのコクが濃厚で、上品な甘辛さが食欲をそそる。この辣豆瓣にはニンニクが入っていないので、食後の胃もたれ感がないのも魅力である。



さて、『岡山って何なのだろう』と思って調べてみると、それは台湾高尾市の岡山区のことであった。ガンシャンと発音する。ここは豆板醤が特産品なのだと言う。大日本帝国統治下の1920年に、付近の“大崗山、小崗山”という名の山から、岡山(おかやま)と言う名の日本軍の飛行場が設置されたことが、地区の名の由来のようだ。また、豆板醤が名産である理由は“たびこじれ”というサイトにヒントがあった。たびこじれさんの記事によればこの岡山地区の豆板醤は、1949年に政府とともに来台した四川の人たちによって持ち込まられたものだという。蒋介石は台湾へ移る前に、共産党との闘いに敗れて南京から四川省の重慶へ遷都し、その後成都から飛行機で台湾へ亡命している。そのときのメンバーによってもたらされたのが今の岡山の豆板醤の由来という訳だ。“食に歴史あり”である。永遠の少年楽しんごさんは、7日連続でサイゼリヤでの食事を投稿した。

ジョージアのイメルリチーズ

2024-03-11 05:42:17 | 食材
ジョージアのイメルリチーズとは、ジョージアのイメルリ地方の伝統的なチーズのことだ。それは中米からの移民問題で最近やや話題のアトランタ市などがある北米ジョージア州のことではなく、国のジョージア(旧グルジア共和国)である。州のジョージアと国のジョージアの名前の由来には全く関係がないそうだ。そういえば日本ではコカ・コーラ社製品に“ジョージア”という缶コーヒーブランドがあるが、これはコカ・コーラ社の本社が北米ジョージア州にあることに由来する。筆者はこのイメルリチーズを、マウンテン・ビュー市の東欧スーパーで見つけて気に入ったのでここで紹介する。日本では日経平均株価がバブル期の最高値を更新し、ついには4万円の大台に乗ったというニュースに湧いている。実は筆者も株遊びを始めており、現在のところけっこう儲かっているため、純粋にジョージア、じゃなかった、ファイヤーを考えている。


この食材との思い出は以下のとおりだ、参考にしてもらいたい。


①Samovar グローサリーストア
米国にはロシア、ルーマニア、ポーランドなどの東欧から来た移民の人も多い。とはいえアジアや中南米からの移民に比べると、その規模は特に西海岸では小さい。その所為なのか、それとも彼らの食文化が米国のそれと大きく違わないためか、東欧系の食材を輸入販売するスーパーはたいてい小ぶりである(ちなみに以前紹介したサンノゼの老舗ロシアスーパーの、ロシアン・カフェ&デリは潰れてしまった。)。筆者はそんな東欧スーパーには普段は用事がないのだが、今回たまたまサンカルロスのジョージア料理レストランで、ジョージア産のワインが美味であることを知る機会があったので、それを入手すべくやってきたのが、このマウンテン・ビュー市のSamovarという名の東欧系グローサリーストアである。


②Samovar グローサリーストア
残念ながらこのSamovarグローサリーストアには酒類が置いていなかった。それでもマウンテンビュー市のコスコ(日本で言うところのコストコ)の裏の建屋に佇むこの店は、やはりその他の東欧スーパーと同じく店内は小ぢんまりしているものの東欧系の楽しい商品が多く並び、特に手作り風の総菜類が充実している。何でもアゼルバイジャン出身の男性とジョージア出身の女性夫婦に経営される割と古いグローサリーストアらしい。店員はアジア系の風貌をしている。東欧には騎馬民族の影響でモンゴロイド系の血が色濃く残っているときくが、その所為かどうかは知らない。
③ジョージアのイメルリチーズとの出会い
冷蔵庫の中のチーズコーナーも充実している。イメルリチーズはちょうど乳児の脳みそのような大きさと色とかたちとをして、その冷蔵コーナーでひとりでじっとしていた。真空パックされたプラスチックが皺を作っているのが、なおのこと乳児の脳みそのように見える。中央の円形のラベルには米国とジョージアの国旗(5つの赤十字が描かれる)が並んでいるので、もともと輸出用に作られているもののようだ。ラベルの下部には輸出業者としてラッキー社、米国での販売代理店のしてのタマニ・フーズ社の名が記載されているが、製造会社は左隅にある“კარგი社”のようだ(ジョージア語には独自の文字がある)。乳児の脳みそほどの大きさで26ドルもしたが、思い切って購入した。



④イメルリチーズの味
長屋に帰って真空パックからイメルリチーズを取り出すとほんのりと燻製の香りがする。乳児の脳みそのようなイメルリチーズを半分に切り、また半分に切ってから2~3ミリの厚さで切って口に放り込むと、旨い。硬めの乾いた食感、ふんわりとしたスモークの香り、雑味が少ないのに濃厚で、後に残る酸味も心地よい。筆者がすぐに近所の酒屋へ走り、黒ビールを買ってきた。チビチビとこのイメルリ・チーズを口にしながら黒ビールを飲むと、ヨーロッパの労働者になったような気分になれるというものだ。



さて、サン・カルロスのジョージア料理店で食事をしていた際、店の男に『地中海料理とロシア料理のあいのこのようですね』というと、強く否定された。“ロシアとはコーカサス山脈で隔たれているので、気候はまるで違って温暖で、日光も豊かだから、作物なら何でも植えるだけで育つ。食べ物はロシアとは違う”のだそうだ。筆者としては、かつてのグルジアとして、臥牙丸関や黒海関や栃ノ心関などのグルジア出身力士たちを思い出す。尻を人前にさらすことに抵抗の少ない国の人々のようだ。現ジョージア大使のティムラズ・レジャバ氏もセンスのある男のようだし、これから要注目の国である。ただ、把瑠都関はエストニア出身だ。

雙鯉牌の“特脆 魚皮花生”

2024-03-03 03:31:26 | 食材
雙鯉牌の“特脆 魚皮花生”とは、筆者がパシフィック・スーパーで見つけて購入した豆菓子である。そう、またもや豆菓子である。そしてまたもやパシフィック・スーパーなので、まくらの紙面が稼げない。そこで『豆といえば・・』と何かネタを探していたところ、筆者は梅垣義明という人を思い出した。派手な衣装に厚化粧で、女性歌手(越路吹雪)のものマネをしながら鼻の穴から豆を飛ばすという芸をしていたワハハ本舗の男性である。Vシネマのミナミの帝王シリーズなどで素顔で俳優としても活躍していたのを、大学生の頃に土曜日の午後のローカル放送などでもよく見たものだ。ウィキペディアで彼のことを調べてみると2024年現在も健在で、コロナ禍で自粛を余儀なくされた豆飛ばし芸をついに再開したとのことであった。



この豆菓子の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①“特脆 魚皮花生”との出会い
中華系の人々は豆や種を菓子にすることに長けているようで、アジア系スーパーのお菓子コーナーにはナッツ類以外にも南瓜や西瓜の種などを菓子にしたものが多く売られている。とはいえ北米に駐在を始めて10年が経とうとしているというのに、その辺りの種菓子にはいまだに挑戦できずにいるのが現状だ。実は今回紹介する商品も“魚皮花生”という少し薄気味悪い商品名から、何度か見なかったことにして通り過ぎていた。しかし透明の袋に透けて見えるその豆菓子は、素朴な植木鉢色をしてヤギの糞のような愛らしい形状なので、不思議と目に止まる。そして2024年の2月、ついに手に取った次第である。



②“特脆 魚皮花生”の外見
“特脆 魚皮花生”とはピーナツをコーティングしたお菓子である。“魚の皮でコーティングしているのかな・・”と、おそるおそる内容物表示を見たところ、それは小麦粉・醤油・塩と馬鈴薯でんぷん、それに若干の添加物のみであったので少し安心(ややがっかり)した。レトルト・カレーのパウチ程度の大きさのプラスチック袋に227グラムの豆菓子が入っている。袋の正面にはブランド名で“雙鯉牌”と書かれ、二匹の鯉が、毬なのか古銭なのかの黄色い円を挟んで向かい合うロゴが描かれている(“雙”とは“双”と同じ文字なのだそうだ)。“EST.1987” とあるので、このブランドの設立は日本がバブルの絶頂で、銀座の土地が一坪1億円と言われた年だ。よく見るとこのロゴの右側に小さな緑色のギザギザ吹き出しがあって、中に白抜きで “原味” と書かれているのが可愛らしい。値段は2.5ドルほどだ。



③“特脆 魚皮花生”の封を開けて食べる。
“特脆 魚皮花生”の封を開けると、ジャラジャラと豆菓子どうしが擦れる音がする。それはまるで碁石入れを揺らしたときのようで、この豆菓子の硬度が想像される。一粒手に取るとそれはやはり硬い。かなり厚めのコーティングがされていて、しかも中のナッツとは分離しており、コーティングの中でナッツがコロコロと動くのが可愛い。そして口に放り込む。これがなかなかに味もよく、安心(少しがっかり)した。コーティングの恐ろしいほどのカリカリ食感(おそらくこの食感のことを“特脆”と表現している)が心地よく、さらにコーティングとナッツの空隙が食感を軽くする。そして香ばしいナッツ、全体として薄味で甘さが少なく嫌みなく食べられる。軽めの朝ごはんとして5、6粒食べたり、酒のつまみで食感を楽しむのにも大変よく、気に入ったのだった。



しかしコーティングが厚すぎて、鼻の穴に入れるには少々大きすぎる(勝間和代先生なら何とかなるかも知れない)。そう思って梅垣氏について再度調べてみれば、彼がその芸に使用していたのはなんと春日井のグリーンスナックだったそうだ。春日井のグリーン豆は筆者の北米生活には欠かせない、大変貴重な食材になっている。“世界は不思議なところでつながっているものだ”と感慨深く夜を過ごした。千葉県周辺で地震が多発している。本ブログ読者の関東周辺似非30代独身日本式サラリーマンたちは、備えを怠らなないようにしてもらいたい。豆菓子は非常食にも良く、サイズによっては鼻の穴にしばらく保管できる。