長野バス転落事故 基準額割れでバス違法運行 「ツアー会社から要請」(朝日新聞の記事より)
「大富豪は不況で生まれる」という格言があります。
普通に考えたら、これはおかしいです。
景気が良い時ほど儲かる人が増え、その中から大金持ちも生まれそうです。
ところが、この「大勢が儲かる」というのがいけません。
好況時はいろんな会社の物やサービスが出てくるので、お金がひとつのところに集まりにくいです。
それに対して、不況時は消費者も財布の紐が固くなります。
そんな時に絶対的な基準になるのは唯一「安さ」です。
つまり、景気が良くないと人は選ぶ余裕がなくなり とにかく安いものに飛びつくようになります。
こうなると、企業としてはある意味で簡単です。
斬新なアイディアや質の高いサービスを考える必要はなくなります。
ただひたすらコストを抑えて商品を「一番安く」提供できた企業が独占的に勝ちます。
こうして「大富豪は不況で生まれる」わけです。
その証拠に、安さで評判の某アパレルメーカーはリーマン不況のまっただ中で過去最高益をあげています。
今は景気が少し上向いている部分もあるようですが、なにより気持ちが冷え込んだままです。
それで消費者がサービスの質も考えずに安さに飛びついてしまっています。
それが、更に企業側の値下げ合戦を激化させるという悪循環です。
しかし、その後ろには、安く買い叩かれている生身の人間がいることを忘れないようにしたいです。
自分の命を危険にさらす上、人の命まで削っています。
一人ひとりのお金の使い方ひとつで、良い企業を育てることも、悪徳企業をのさばらせることもできます。
とても難しいことですが、そんなことを思います。