アートの周辺 around the art

美術館、展覧会、作品、アーティスト… 私のアンテナに
引っかかるアートにまつわるもろもろを記してまいります。

三橋節子美術館

2010-04-14 | 美術館
この前の日曜日、近隣の長等公園では桜が満開~散り初め、風が吹くと花びらが舞う様子がとても美しくうららかでした。

さて、この公園内に「三橋節子美術館」があります。
日本画家である三橋節子さんは、京都出身のちに大津にアトリエを構え作品を制作されました。彼女は夭折の画家として知られ、33歳で利き手の右手を鎖骨の癌により手術で切断、その後は左手で創作を続けましたが、不幸にも35歳の若さで癌の転移により他界されました。

この美術館は、年に一度展示替えがされるので、一年に一度、お正月あたりに行くのですが、今年は行きそびれていて、それで桜とともに鑑賞してきました。

今年は、節子さんのお人柄がにじみ出るような、野の草花を描いた作品が多く展示されていました。とても素朴で、それでいてデザイン的には配置がおもしろい。彼女の作品は、表面が削がれているような、けぶっているような印象を受け、独特の憂いを帯びているように思いますが、モチーフの配し方などはとてもユニークです。
展示作品の後半は、彼女の作品を有名にした「花折峠」「三井の晩鐘」「鬼子母神」など近江琵琶湖に伝わる民話を描いた後期の大作が飾られ、彼女の境遇を重ね合わせ、最後にはとてもしんみりしてしまうのが常です。

お客様もいつも少なく展示室に入ると扉が閉まり、わりと一人きりで鑑賞できるので、少し重くてそれでも充実した時間をじっくりと味わえる美術館なのです。

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