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ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち

2012-02-28 | 映画
最近とんと映画を見ていないのですが、これだけは絶対行こうと思ってた。
pina ピナ・バウシュ 踊る続けるいのち

前衛的なダンスで知られるピナ・バウシュ、以前、映画「トーク・トゥ・ハー」の冒頭にピナのダンスシーンがあり、あまりのインパクトに目が釘付けになってしまいました。いつかは実際にステージを見てみたいと思っていながら(びわ湖ホールに来たこともあったのに!)、2009年にピナが急逝、非常に残念に思っていました。そのピナをヴィム・ヴェンダース監督が撮るとなると、見逃すわけにいかないじゃあないですか!

…と言っても、ヴェンダース監督が20年来の約束であったピナの映画を撮ろうと準備をし2日後にリハーサルを迎えるという日にピナが突然亡くなってしまったので、実際にこの映画の主役としてピナは登場しない。でももちろんピナのダンスが主役だ。
ピナが生前に選んでした4つの作品「春の祭典」「カフェ・ミュラー」(「トーク・トゥ・ハー」に出てきた作品だ!)「コンタクトホーフ」「フルムーン」のダンスシーンの躍動感が3Dで飛び出してくる!それにピナの薫陶を受けたダンサーたちがピナのこと、ピナのダンスのこと、ピナとの関わりについて語るのが挟まれる。肝心のピナの映像や言葉が少ないから謎めいて想像力を掻き立てられる。

ダンサーたちの体の動きは凄まじい!何ていえばいいだろう…すみずみまで神経のいき届いた本当に人間にしかできない動き。作品は演劇の要素もあってこのシーンが意味しているものは…なんて深く考えさせられたりもするが、動き自体はよく見ると同じ流れを反復し続けていて、ひとつひとつに別の意味がありながら「永続」する身体の営み…といった不可思議な感覚に陥る。

舞台装置もたいそう斬新だ。「春の祭典」では土を敷き詰めたり、「フルムーン」では水が張られたり!舞台の上で雨が降りそそぎプールのようになった舞台でダンサーたちはズブ濡れになって跳ねまくる。さぞかし実物は迫力の舞台だっただろう!(もちろん映像でも十分伝わる!)

今回、このピナの素晴らしい舞台を再現するために3Dで撮影された本作品、確かに舞台に奥行きがあって迫力ありました…が、どうもあのメガネが嫌なんですよね。色も本来じゃない気がするし…。本作品では、舞台上だけではなく屋外での美しいダンスシーンも織り込まれておりまして、そういうのは裸眼で見たかったなあ~。3Dじゃなくても十分迫力ある画面になったのでは?なんて思ってしまいました。どーなの3D?

少しだけ見ることのできたピナの姿は凛としてとても素敵でした。踊りのシーンも、同じ動きでも他のダンサーと全然違う!その伸びやかさ。繊細さ。ヴェンダース監督も本当に残念だったことでしょうね…。

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2 コメント

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Unknown (アンクル)
2012-03-02 22:50:40
ビガールさま
ご覧になったのですね
ビナなら3Dかな?と思ったのですが…
あきませんでした?
アンクルはあとアランレネかなと思ってますが…
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そうなのよ (art-around)
2012-03-04 19:38:52
あのメガネがいけませんな~。
「映画」と「私」のあいだに邪魔者がいるようで…。
アラン・レネもよさそうね。フランス映画を満喫!!
返信する

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