アートの周辺 around the art

美術館、展覧会、作品、アーティスト… 私のアンテナに
引っかかるアートにまつわるもろもろを記してまいります。

ギャラリー巡り(京都その1)

2011-01-30 | ギャラリー
ひょ~、寒いですね。本当に春の訪れが待ち遠しい今日この頃です。
さて、かねてから始めたかったギャラリー巡り、ついにその一歩を踏み出しました。
きょうは京都の東山周辺をまわってみることに。

まずは<ギャラリー16>にて、『日高理恵子-見ること』。日高さんは、下から見上げた樹木を描き続けている画家で、最初に見たときはアングルの新鮮さに衝撃を受けたものです。木の枝って本当にどれもこれも芸術的な形な気がする…。そんな日高さんの、それ以外の平行に見た風景とか人物とか描いているドローイングが見れて興味深かったです。うまいなあ…。小さな作品をすごく身近に見れるのもギャラリーのいいところですね。

次に訪れたのは<ギャラリーはねうさぎ>にて、山本雄教展『どこへ行く』です。小さなギャラリーでしたが大きな作品がドーンと。点字ブロックをモチーフに、それがまるで列車の線路みたいにどこまでも伸びていく…。一本一本は規則正しいのだけど、表面の加工の感じからちょっと愁いを帯びた感じで、一瞬竹林のように見えたり。
そこには作家さんご本人がいらっしゃって、少しお話もできてラッキーでした。表面の加工の方法とか描き方とか、テーマについてとか、お話くださいました。置いてあった作品集の別のテーマの作品もおもしろかったので、また機会があれば、ぜひ見てみたいと思いました。

そして最後に<ART FORUM JAFRO>で、『KYOTO 版画 2011 新鋭展』を見ました。6人の作家のバラエティに富んだ版画作品が展示されていました。ここでは、価格がばっちりキャプションに書いてあったので、けっこう「買う」という視点ももって見ることができました。版画はけっこう買いやすい。1万円以下の作品もあったりして、自分のものにするなら…と真剣に考えてしまいました。ふじいみよこさんという方の作品は、ところどころコラージュ風であったりしてわりと好みでした。

以上、初日は3ヶ所のみでしたが、なかなかおもしろいものだと思いました。
まずギャラリーは小さいので、本当に気軽に短い時間で鑑賞できます。でもきちんとテーマがあれば、それでも十分に楽しめます。また、知らない作家が多いので先入観なしに作品を楽しめます。また同時代作家なので、とてもライブな感覚です。
それから、今回気付いたのは、ギャラリーはコミュニケーションの場であるということ。美術館では大きな声で話していたら即注意されるけど、ギャラリーは作家がいたり知り合いがいたり、ギャラリーの人がその場で大いにコミュニケーションするものなんだなあって。
実際はねうさぎでは作家さん本人と、作品について話ができたり、そういう楽しさはとても新鮮でした。
それから、ギャラリーに行けばギャラリーの情報が収集できることもわかりました。

次は三条、四条あたりにも足を延ばしてみよ~う!!
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『ルーシー・リー展』

2011-01-14 | 展覧会
今年、第一弾の展覧会、中之島に大阪市立東洋陶磁美術館で開催している『ルーシー・リー展 ウィーン、ロンドン、都市に生きた陶芸家』に行ってまいりました!

東京のチラシはブルーの作品でしたが、大阪のチラシはかわいいピンクの器です。平日ですのに女性を中心に幅広い年代のお客さんがいらしていました。写真で見たときから心ひかれた色、形。女性は好きなんじゃないかな~と思います。

不勉強なので、ルーシーさんがウィーンやロンドンでどのような点で高く評価されたのかはわかりませんが、かなり日本人(東洋人)の感覚に近くその情趣に共感を呼ぶ作品なのではないかと感じました。作品たちの肌合いには、志野とか備前とか日本の焼き物を思わせるものが多く、溶岩釉がつくりあげる表面の感じなどはそこそこの泡立ち方だと渋くて日本人好みだと思うな~。(泡立ちすぎてバクハツしてるのもありましたが…)

でもデザインは独特です。鉢のいわゆる高台の部分がすごくスマートで華奢な感じで、横から見るフォルムにホント惚れ惚れしてしまいました。くびれが美しい~!!やはりこれは展覧会の醍醐味ですよね。いろいろな角度から眺めることができ、自分のお気に入りの角度を見つけることができるもの。
それから花器もたくさんありましたが、これも独特の形、首が長く口がやけに広く広がっているのです。その形自体はあまり好きではないけど、展覧会で流れていたビデオに花を生けているのが写っていて、花の可憐さを引き出す美しい形なのだと思いました。
それから色も独特。あのような器にあの色…あり得るのだけどでも今まで見たことなかった。何ともいえない。釉薬の研究を熱心にされたとのことだけど、色に一番ルーシーさんらしさが出ているような気がします。

グループで来られてるお客さんが多かったので会話が聞こえてオモシロかったです。陶芸をやっているらしいおじさんが「ろくろはイマイチうまくないなー」「この高台では安定悪い」とか言ってたり、女性グループは「これでお茶飲んだらステキ」「こんなデザイン欲しい」など完全使用者目線だったり。いろんな視点があるものです。

最後に制作しているルーシーさんにインタビューをしているビデオを見ていたら、インタビュアーの人が作品を触っててすごーくうらやましかったです。実物を見るだけでも嬉しいと思ったけど、やっぱり触りたいな~、表面の感じを手のひらで味わってみたいな~、と思いました。キャプション見てても個人蔵が多かったですし、なんか自分だけのものにして毎日なでなでして愛でたい、そんな作品たちでありました。
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2011 謹賀新年

2011-01-02 | その他
新年あけましておめでとうございます。ここ滋賀県は、大晦日より雪にみまわれ、白銀の正月を迎えました。寒~。
この1年間にお越しいただいた皆様に心より感謝申しあげます。ぼちぼちの更新にはなりますが、引き続きお読みいただければ幸いに存じます。

さてさて、当ブログも2回目の年越し。昨年、鑑賞した展覧会を振り返ってみますれば、一昨年よりさらに少ないたった15本!…トホホ。今回もベスト10どころかベスト5もままならないので、自身の「アートのまわり」について、2010年のまとめと2011年の抱負を書いてみたいと思います。

2010年も、東京アート旅行で幕開けとなりました。いつも東京および関東地域の展覧会情報を見ていると、素晴らしくてぜひ見たいけど、関西へ巡回しない展覧会も多いです。不況といわれるようになって、いっそう関西への展覧会の巡回が少なくなったように思うのですが…。
それはさておき、鑑賞本数は少ないですが、それだけ厳選していることもあって、見た展覧会の大部分は印象的なものでした。特に良かったのは『絵画の庭』『長谷川等伯』『レンピッカ』。また『小倉遊亀展』は、とてもなじみの深い作家でありながら、まとまって作品群を見ることがなかなかないので、本当に見に行ってよかったと思いました。
しかしながら、昨年見たものは、作品そのもののインパクトが強い展覧会は多かったですが、作品と展示が互いにはたらき合って唯一無二の空間を創り出しているようなそんな展覧会にはなかなか出会うことができませんでした。

そういう意味では、昨年初めて体験したアートフェスティバル『瀬戸内国際芸術祭』はおもしろかったですね~。環境や場所・空間と協創してつくられた、そこでしか見られない、そこで見るからいい、という作品たちは、何というかすごくライブ感(生きてる!)にあふれてて、自分もそこに立ち会うことで作品の一部であるような、そんな興奮を抱かせる体験でありました。

マイ・ミュージアムである滋賀県立近代美術館も昨年はよく健闘しました。特に『白洲正子 神と仏、自然への祈り』は会期を通して2万人以上のお客様にお越しいただくことができ、きっと初めて来て下さった方も多かったことでしょう。この環境バツグンの美術館の良さを感じていただき、また続けて来てくださるといいなあと思います。
…そう、当館の問題はやはり集客です。行き慣れるとそうでもないのですが、やはり足の便が悪いとの印象があるのでしょう。しかしながら、展覧会に力があれば来て下さるのですから、お客様が「来たい」と思う展覧会を続けるしかないのかもしれません。(当り前か…)
かくいう私は、多忙を言い訳に昨年はサポーター活動をほとんど出来ませんで、反省しきり。今年はもう少し尽力できるようガンバリます。

さて、2011年。年明け早速行かなくちゃ!は、東洋陶磁美術館の「ルーシー・リー展」(大阪では今頃です)、国立国際の「ウフィツィ美術館 肖像画コレクション」。そして展覧会ではないのですが、ニューヨークのアート・コレクターである夫婦を描いたドキュメンタリー映画「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」。うっひょ、楽しみ~。
今年もあまり数は行けないだろうから、展覧会には厳選して行く。いくつかは行ったことのない美術館に行ってみる。それから、今年はぜひギャラリーに足を運んでみる。まずは京都から!
マイ美術館でのサポーター活動はできるだけ参加し、ワークショップにも活動範囲を広げれれば。

そして、ブログの更新もコンスタントに。ネタの広がりももっとあるといいですよね~。
年明けなので調子に乗っていろいろ書きましたが、今年もどうぞよろしくお願いいたします!

(写真は兎にちなんだ大津・三尾神社。12年に一度だけ賑わうらしい)
コメント (2)
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