アートの周辺 around the art

美術館、展覧会、作品、アーティスト… 私のアンテナに
引っかかるアートにまつわるもろもろを記してまいります。

イラストレーター 安西水丸展@美術館「えき」KYOTO

2016-06-26 | 展覧会

何といっても、村上春樹さんの著書の装丁やイラストでおなじみの安西水丸さん。2014年に突然逝去されてから2年、このたび多彩な作品群による大規模展覧会が京都で開催されています。

村上春樹さんのお姿だって、どちらかというと写真より安西さんによるイラストの方が、なじみがあったりして。それほど村上作品には、寄り添っていたと感じます。「ワタナベ ノボル」って安西水丸さんの本名やったんや~、知らなかった!

イラストのタイプはさまざまで、線描を生かしたもの、切り絵のように面で構成されたもの、色鉛筆で描かれたたよりなげなタッチ、すごくおしゃれだったり、とぼけた味があったり…。変幻自在のようで、でもどの作品もやはり水丸さんのものだとわかる。

今回、水丸さんの足跡を改めて辿り、70~80年代に多方面で広告など多方面で活躍されていたことを知りました。大手の商業施設やメーカーやエンタテイメントの新聞広告やポスターなどなど。知らない間に水丸さんのイラストを目にしていたかもしれません。会場にはけっこう年配のお客様が多かったのも、若かりし頃の思い出があったのかも?と想像してしまいました。

そうなんです、会場はけっこう混み合っていました。わりとしゃべりながら見てしまうタイプの展覧会だと思うのに、シンと静かだったのが印象的で、老いも若きも、いろいろなお客様が、水丸さんの作品と自身との対話を心から楽しんで、笑みを浮かべて鑑賞している、そんな暖かい空気が感じられました。

嵐山光三郎さん、村上春樹さん、和田誠さんとのエピソードも微笑ましく、もちろん水丸さんの技量が素晴らしかったのだと思いますが、良い人間関係の中で、良い仕事を成し遂げることができた人だったんだなと感じます。何だか、見ていて幸せな気持ちになれました。

展覧会は、7月10日(日)まで。デパートではもうすぐバーゲンも始まるヨ~。GO!GO!

コメント (2)
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