メリー・クリスマス!!
今年もあとわずかとなりました。こんな寒い中、大掃除ってとっても不条理だと思うのだけど、きょうは風呂場の掃除をガンバリました。
そんなことはどーでもよいのですが、来年1月の来訪を目指している「ジャクソン・ポロック展」にちなみ、以前の記事でも紹介した古本屋で買った1993年発行の雑誌「ユリイカ」のポロック特集を読んでみました。「ポロック」増頁特集は、総勢20余名の著者による200ページ以上、昔の雑誌なので字も小さくて、大ボリュームであります。
美術評論家の方たちが使う言葉は観念的で難しく理解できないこともたくさんあるのですが、興味のあったいくつかを紹介いたします。
冒頭にはポロックへのインタビューが掲載されています。これは、1950年夏にラジオ局で収録されましたが放送されなかったというもの。ポロックの話はわかりやすくとても印象的です。
「私にとって現代美術は、われわれが生きている現代という時代の目的を表現する行為です。それ以上のものではありません。」
「画面に何かを見出そうとすべきではないと思います。まずは受動的に見ることです。絵画が与えようとしているものを受け止める努力をすべきです。主題の問題は見出すべきものへの先入観を念頭には置かない方がいいと思います。」
「私は音楽を楽しむように抽象絵画を楽しむべきだと考えています。」
「(従来の方法ではない利点は?の質問に)もっと奔放になれる、もっと大きな自由が得られるということ、そしてたやすくキャンバスのなかを動き回ることができる、ということでしょうか…」
また、ポロックのパートナーでありアーティストでもある女性、リー・クラズナーへのインタビューもあります。ここではスプリングスの納屋を改造したアトリエの話題を中心に語られています。聞き手はいつあの独特の技法が誕生したのか、その瞬間を捉えたがっていますが、クラズナーは素っ気なく「知りません」「覚えていません」と答える様子がおもしろい。暖房のないスタジオでは真冬の制作は無理だったとか、お気に入りのジャズを大音量で聞いていたとか、ポロックのペインティングの動きが優美だと評すると「いいえ、スポーツをしているところは見たことがありません」だとか…。
この前の日曜美術館でも見られたポロックが描いているところをハンス・ネイムスが撮影したフィルム、今となっては貴重なフィルムですが、野外の撮影が終わった10月の寒い日、禁酒を続けていたポロックが突然酒を飲み出し、酔っ払ってテーブルをひっくり返す失態を演じたというエピソードもありました。
もうひとつ、ポロックにはクレメント・グリーンバーグという美術批評家の存在が非常に大きかったことがわかりました。批評家に目をつけられ盛りたてられたことによって名声を得ていったポロック、しかし一方で批評家の理論を構築するための材料として利用されてもいるわけで、その理論からはずれていく作品は取り上げてももらえず、そのことがポロックを深く傷つけていった…というような、何だか切っても切れないつながりも彼の人生に影響を与えていたのだなあと思いました。
うーーん、言葉でだけポロックを理解しても物足りないよ、やっぱり作品を見たいものですね~!!
今年もあとわずかとなりました。こんな寒い中、大掃除ってとっても不条理だと思うのだけど、きょうは風呂場の掃除をガンバリました。
そんなことはどーでもよいのですが、来年1月の来訪を目指している「ジャクソン・ポロック展」にちなみ、以前の記事でも紹介した古本屋で買った1993年発行の雑誌「ユリイカ」のポロック特集を読んでみました。「ポロック」増頁特集は、総勢20余名の著者による200ページ以上、昔の雑誌なので字も小さくて、大ボリュームであります。
美術評論家の方たちが使う言葉は観念的で難しく理解できないこともたくさんあるのですが、興味のあったいくつかを紹介いたします。
冒頭にはポロックへのインタビューが掲載されています。これは、1950年夏にラジオ局で収録されましたが放送されなかったというもの。ポロックの話はわかりやすくとても印象的です。
「私にとって現代美術は、われわれが生きている現代という時代の目的を表現する行為です。それ以上のものではありません。」
「画面に何かを見出そうとすべきではないと思います。まずは受動的に見ることです。絵画が与えようとしているものを受け止める努力をすべきです。主題の問題は見出すべきものへの先入観を念頭には置かない方がいいと思います。」
「私は音楽を楽しむように抽象絵画を楽しむべきだと考えています。」
「(従来の方法ではない利点は?の質問に)もっと奔放になれる、もっと大きな自由が得られるということ、そしてたやすくキャンバスのなかを動き回ることができる、ということでしょうか…」
また、ポロックのパートナーでありアーティストでもある女性、リー・クラズナーへのインタビューもあります。ここではスプリングスの納屋を改造したアトリエの話題を中心に語られています。聞き手はいつあの独特の技法が誕生したのか、その瞬間を捉えたがっていますが、クラズナーは素っ気なく「知りません」「覚えていません」と答える様子がおもしろい。暖房のないスタジオでは真冬の制作は無理だったとか、お気に入りのジャズを大音量で聞いていたとか、ポロックのペインティングの動きが優美だと評すると「いいえ、スポーツをしているところは見たことがありません」だとか…。
この前の日曜美術館でも見られたポロックが描いているところをハンス・ネイムスが撮影したフィルム、今となっては貴重なフィルムですが、野外の撮影が終わった10月の寒い日、禁酒を続けていたポロックが突然酒を飲み出し、酔っ払ってテーブルをひっくり返す失態を演じたというエピソードもありました。
もうひとつ、ポロックにはクレメント・グリーンバーグという美術批評家の存在が非常に大きかったことがわかりました。批評家に目をつけられ盛りたてられたことによって名声を得ていったポロック、しかし一方で批評家の理論を構築するための材料として利用されてもいるわけで、その理論からはずれていく作品は取り上げてももらえず、そのことがポロックを深く傷つけていった…というような、何だか切っても切れないつながりも彼の人生に影響を与えていたのだなあと思いました。
うーーん、言葉でだけポロックを理解しても物足りないよ、やっぱり作品を見たいものですね~!!