アートの周辺 around the art

美術館、展覧会、作品、アーティスト… 私のアンテナに
引っかかるアートにまつわるもろもろを記してまいります。

豊田市美術館を訪れる

2012-03-18 | 美術館
3月初めての記事になりました。2月はがんばって4本も書いたのに、気がつけば明日はもう春分の日。日々このブログを訪れてくださる皆様には申し訳ありません…。毎年3月はバタバタします。
さて、きょうは滋賀県立近代美術館のサポーターたちの研修バス旅行でした。今年は愛知県方面へ、長久手市の名都美術館と豊田市美術館の2館を訪ねました。

一路、新名神で名古屋へ向けてGO!まず訪ねた名都美術館は、実業家の日本画コレクションを収蔵したこぢんまりした落ち着きのある美術館。鏑木清方や伊東深水の美人画で有名なのだそうだが、現在は「日本画に描かれた動物たち」をテーマにした企画展示が行われていました。ここでは当館の所蔵品である小倉遊亀さんの「青巒」と前田青邨の「猫」が借り出されていました。異なる美術館のいつもと違う照明のもとでは、なんだか違った印象になる。おもしろいもんです。

次に訪れたのが豊田市美術館。あまり今まで知らなかったのですが、市立ながら豊かな税収?なのか、すごくモダンで広くて立派な美術館。ステキ。
ここで開催されていた企画展は「山本糾 光・水・電気」。一貫して「水」をテーマに写真を撮り続けてきた作家の初の大規模な個展。水って不思議ですよね…。私たち生物にとって生きるために不可欠でもあるが、一方、時に凶暴な力でもって生命さえ奪う。すべての源である水の美しさ、無限の可能性のある形態、水のある風景の不思議な静寂さ。そんなものが一瞬のモノクロの写真に切り取られている。なんだか静かだけど力のある、いい写真だな~と思いました。

さて、この美術館では、当館のようにボランティアによる作品ガイドツアーが行われています。きょうはそのスタッフさんがお迎えしてくださり、前述の企画展に加えて常設展の「みえるもの/みえないもの」というテーマ展を案内してくださいました。けっこう難解だけれども、ちょっと考えさせられるようなユニークな作品がいっぱいありました。
豊田市美術館の作品ガイドは、いわゆる解説型ではなく対話型を目指してやっておられるとのことでした。対話型とは、鑑賞者と対話しながら個々人の自由な作品の見方を引き出す方法で、おそらくお客様にも好き嫌いがあるかもしれませんが、うまく出来ればお互いにとってすごく想像力が触発される楽しく興奮するような体験になるのはまちがいありません。会場の鑑賞後、豊田市美術館のボランティアさんとの交流会があったのですが、そのうちのお一人が「技術ではなくて、人間性がすべて出る」とおっしゃっていましたが、確かにそういう覚悟がいるよな~と感じました。人間性を磨いてお客様に全力でぶつかる!ってのもかなりカッコイイですよね!

対話型作品ガイドを目指すこの美術館には、かつてアメリア・アレナスが訪れて、屋外にあるリチャード・セラの巨大な鉄の作品について語っているのを映像で見ることができるのですが、サポーター仲間と「あれだ、あれだ」と楽しみに駈けつけたら、「立入禁止」でした…残念!

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