魲万里絵展 ～縷々累々、紙の上の私の風景

ただいま、近江八幡のボーダレス・アートミュージアムNO-MAでは、以前、日曜美術館でアールブリュットが特集されていたときに紹介されていた魲万里絵さんの展覧会が行われています。

アールブリュット・ジャポネ展で作品の実物を１点だけ見ることができましたが、当然物足りない！今回は彼女の独特の世界を包括的に展観できる貴重なチャンス、非常に楽しみに出かけました。

まず展示会場に入ると、作品たちに描かれているモチーフに、やはり一瞬たじろいでしまいます。乳房、鋏、性器…、そんなものが自由奔放に蠢く世界といったらいいだろうか？作家ご本人は、テレビで拝見してもすごく大人しいお嬢さんという雰囲気で、あの彼女からこんな世界が！っていうギャップの驚きもある。決して彼女だけではない、普遍的に人の心の奥深くに潜んでいると思われるほの暗い気持ちをさらけ出したような作品だ。

モチーフにはたじろいでしまうけど、その画面構成は斬新です。作家のうちからあふれ出るような想像力！創造力！描くのに使われているのはマジック、鉛筆。そのせいもあって、思いの外、見ていてポップで明るい印象を受けます。
そして、何といっても実物を見てビックリ！！してしまうのは、画面を埋め尽くしているすごく細かいパターンの模様。これはまるで職人の手仕事です。パソコンなどで正確に描かれたパターンを縮小コピーでもしたように、彼女の筆はぶれることなく細かい模様を緻密に描いていく。いろいろなパターンがあってすごく面白くて、思わず画面に顔を近づけてジッと見てしまった私って…。

館の方にお伺いしていたら、初期の頃には下書きもされていたらしいが、今はいきなりマジックで描いておられるとのこと。制作の風景もぜひ見てみたいな～と思いました。

本展覧会は8月21日（日）まで。8/5には、作家が来館されてのギャラリートークが行われます。
ぜひ展覧会をご覧に近江八幡へ！たいへん奥深い街でございますヨ。

ART OSAKA 2011

バーゲンも華々しい新・大阪ステーションにて、楽しみにしていたアート・イベントが開催されました。
ホテルグランヴィア大阪にて、「ART OSAKA 2011」。現代美術を扱っている画廊、ギャラリーが関西に限らず、東京や韓国からも一堂に会するこのアート・フェア、今年でなんと９回目を迎えるとのこと。昨年初めて行ったのですが、昨年は堂島ホテルでの開催でした。けっこうせせこましかったけど、部屋のつくりとかお風呂とかは堂島の方が凝っていた気がする…。今年のグランヴィアは、平均的なお部屋ではありましたが、窓からの眺望が素晴らしかったです。

さて、今年の私は、もう買う気満々で出かけました。ぜひとも作品を手に入れようではないか～！
そしてお目当ては、FUKUGAN GALLERYの栗田咲子さん！
昨年、「絵画の庭」展で、かなり気に行った作家です。FUKUGANさんのお部屋は、ベッドをうまいこと隠して、ホントミニギャラリーのよう。栗田さんの動物をテーマにした油彩、けっこう大きな作品が展示されていました。それは高価なのですが、B4サイズくらいのドローイングがたくさんファイルされていて、そこから１点お買い上げ～！すっごい嬉しかったです。

それにしても、いざ買うとなると、作品を選ぶのってとっても難しいものですね。部屋のあの壁に飾るから…とか考えると、自分の直観的な好み以外に、その場所に合う大きさとか色味とかって思ってしまって、何を決め手に選べばいいのかよくわかんなくなってしまって。
ついには、直観と画廊主さんのお勧めに従い決めました。ただいま、額装を依頼中。画廊主さんに「１点買うと、次々欲しくなりますよ～」と言われて、ついに禁断の一歩を踏み出してしまったかと…。（嬉しいんだけどね）

全体的には、去年よりちょっと印象的な作品が少なかったかもしれません。もしくは、２回目なので、感動が少なかったのかな？？それでもお値段はとてもリーズナブルなので、「買う」と考えたときに、興味の湧く作品はいくつかありました。
「観るだけ」と「買う気で観る」の違いって？？
おもしろかったギャラリーは、京都のニュートロン、アートゾーン神楽岡、大阪のギャラリーほそかわ、東京のレントゲンヴェルケなど。ギャラリーの方同志も交流を深める良い機会になっておられるようでした。

わくわく、作品が届くの、楽しみだな～！！