アートの周辺 around the art

美術館、展覧会、作品、アーティスト… 私のアンテナに
引っかかるアートにまつわるもろもろを記してまいります。

三越エトワール

2010-11-26 | メディア情報
11/23の日経新聞、文化面より。

フランスはパリの凱旋門のすぐそばに、三越百貨店が運営している「三越エトワール」という美術館があるそうだ。
150年ほど前の歴史的な建造物である館を三越百貨店が購入し(当時はバブリーだったのね…)1992年に開館、以来日本の芸術作品を紹介してきたが、今年の12/11でついに閉館するとのこと。

百貨店の雄といわれた三越も今では伊勢丹と経営統合し、どちらかといえば助けられたとの印象が強い。そんななか、今までこのような文化施設が生きながらえていたことに驚いた。というか、こんなのやってたことすら知らなかったなあ!!
経営がしんどいといいながらも、遠いヨーロッパで日本文化、美術の発信をし続け、芸術の都パリの人々に喜んでもらっていたということに、百貨店の真髄みたいなものにこだわる姿勢というか、経営の懐の深さというものに大いに感心するところだ。さすが三越。(それが不振の原因かもしれないケド…)

現代日本の作家を紹介、といっても村上隆とかじゃなかった。東山魁夷や平山郁夫、柿右衛門さん、そして「せんとくん」の薮内佐斗司さんも。お客様のほとんどが現地の人であり、審美眼も厳しいが、心血を注いだ展覧会には大きな手応えがあったということだ。

今年限りで閉館してしまうことは大変残念。一度訪ねてみたかったなあ。この三越のパリでの功績には拍手を贈りたい。
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白洲正子「神と仏、自然への祈り」@滋賀県立近代美術館

2010-11-13 | 展覧会
楽しみな展覧会が始まった!と思っていたら、あっという間に来週は最終日。期間が一カ月しかないので短いです。まわりの木々も色づき始めた今日、やっと訪れることができました。白洲正子人気はやはりスゴイ、たくさんのお客様が来館されていました。

展覧会の構成は、「自然信仰」「かみさま」「西国巡礼」「近江山河抄」「かくれ里」「十一面観音巡礼」「明恵上人」「神と仏の仲立ち 修験の行者たち」「道」「古面」と10の区分に沿って、主に滋賀県の寺社に納められている仏像などが展示されています。こうしてみると、滋賀県やるやん!って感じで、お宝がいっぱいあるのだなあ~と感心しました。

「十一面観音巡礼」(講談社文芸文庫)は、私が唯一持っているエッセイ本で、そこに白洲さんがこの観音像に魅せられ各地を訪ねるさまが著されています。本展にも十一面観音が多く展示されていましたが、時代もいろいろ、同じ11の顔を頭に頂いてはいますがその表現は多様で興味深いものがありました。ここで、おーー円空さんに初めて出会う事ができました。円空さん作の十一面観音像(滋賀県・太平寺観音堂)は、超素朴。お腹が少しでっぷりしているようでしたが、白洲さんは「自然の樹木のよじれのように見え」ると書かれていました。
円空さんの他の作品には、観音像群像(岐阜県・千光寺)があり、31体のうちの10対ということでしたが、円空さん独特の木の木目を生かした仏像が集団で眼に飛び込んできたとくは、「おっ!」という衝撃がありましたよ。みなさんソフトクリームみたいなものを頭に抱いて、表情は同じような横に引いたラインだけなのだけど、何だか全部違う表情に見えるもんなんですね~。柔和でユーモラス。ずっと見ていたい気持ちになります。

そもそもこの白洲さんの本を買ったのは、10年ほど前に滋賀県は渡岸寺を訪ねて、国宝・十一面観音像の素晴らしく優美なお姿に感動!!したからでした。今もかどうかわかりませんが、その時は、国宝というのに、直に拝見でき、前から後ろからと、小さなお堂で観音様との濃密な空間を堪能できたことも感激の理由だったと思います。十一面観音は不思議な魅力をたたえていることに共感いたします。

展示の後半には、けっこうこの館では見たことないような、大きな立像が展示されていました。もっとも巨大だったのは、4メートルほどの高さがある「軍茶利明王像」(栗東市・金勝寺)。準備のときに寝てはったのはアナタですね~、きょうはしっかり怖い顔で立っておられなかなかの迫力でした。もっと天井が高くて、東京国博みたいに照明とか凝れば、オモシロイのに~と思ったりしました。

展示品には、白洲正子さんが実際に手元に置いて愛でていた品物もありました。お顔が擦れてなくなったような十一面観音と一緒に住んでおられたとのこと、他にも白洲さんの美意識がうかがえるような品々でありました。

今回は私たちサポーターによる企画展の解説はありません。なぜなら女優・真野響子さんによるイヤホンガイドがあるからです!この機会に白洲さんの書籍ももっといろいろと読んでみたいものだと思いました。11月21日(日)までです。未見の方はぜひ!

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BIWAKOビエンナーレ2010

2010-11-08 | 作品
瀬戸内芸術祭から勢いに乗って、きょうまで近江八幡で開催の「BIWAKOビエンナーレ2010 玉手箱-Magical World」に行ってきました。
地元でもこんなアートフェアが行われていたとは…!きょうの入りが最終日とすれば、期間中はけっこうヒサンだったのかもしれない…。だって全然知らなかったもーん。

さて、近江八幡といえば、旧商家など古い家並みが続くとても情緒豊かなところ、その町屋や元瓦工場や倉庫やお寺を使って、現代アートの作品が展示されていました。瀬戸内の島でも、古い家を使って展示がされていましたが、とにかく家のレベルが違う!!さすが近江商人の家、すっごい堅牢なつくりで、天井には太くて立派な梁がめぐらされ、またお庭なども小さいながらもちゃんとしてる。聞いていると家自体は、やはり使われていなくて倉庫などになっていたものを、今回畳を入れたりしたそうだし、元々畳が入っていてももうボロボロだったりしていたのだけど…。
お家だけでなく、倉庫や工場跡や、大きな空間ならではの作品も面白かった。やはりこのような特殊な場にアートを展開する場合、音や光や映像があって体全体、スペースごと体感できる作品が楽しめるし、人々の人気も高い。そんな中で、小さい平面を展示している作家もあったが、どうも歩が悪いように感じた。展示される空間で、作品の見方は変わるものだ。
いちばん気に入ったのは、カネ吉別邸の2階、竹で作られた巨大なボールいくつもでで空間が埋め尽くされていた松田栄一さん他建築家の皆さんの作品でした!

きょうはお天気もとても良く、いつも見ている小吹さんのブログのおすすめに従い、レンタサイクルでまわったところ、とても気持ち良く効率よく回ることができました。お堀のある近江八幡の風景は、いつ見ても素敵。途中売っていたポン菓子もなつかしかった。

このアートフェアは、瀬戸内~ほどは、地元の人たちが関わっていない印象を受けた。学生さんのスタッフが多かったような…。適切な案内が出来てなくてちょっと感じ悪い対応をされたり、なんか内輪で盛り上がっているような印象を受けたのは残念でした。


Comments (2)
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空間を抱く大阪駅!

2010-11-07 | その他
ただ今工事中の大阪駅。来る2011年、大阪百貨店戦争のメーン舞台となるところでございます~。新しく駅の上に作られた通路から、ホームに降りるエスカレーターは、なかなかの絶景であり、ここを通るのが毎日の楽しみとなりつつあります。
正面に見える赤いのは、阪急HEPの観覧車、上空には金属のアーチが描かれ、ちょっとした未来都市の様相でございます。気持ちいい!!
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