まさに、日本一有名な「鮭」!を見に行ってまいりました。
本日が最終日、思ったより混んでましたね。そしてまた、客層が案外幅広く(老いも若きも)かつ中高年の男性が目立っていました。
みんな、同じ気持ちなんでしょうか?教科書で見たあの「鮭」、やっぱりこの眼で見ておかなくっちゃ!というような。私もかくいう一人…鮭もですけど「豆腐」を見ておかなくてはいけない気持ちになったんですよね~。
「鮭」は有名ですけど、高橋由一のことはあまり知りませんでした。黒田清輝などとは違って外国に行くことなく、つまり西洋画ではなく、日本の洋画を開拓した人だったのです。
彼にとってのポイントは「写真」だったのではないでしょうか。由一は絵画の使命は記録すること、油絵は耐久性にも優れ写真よりも後世に記録を残すことに適していると考えました。明治に入り、さかんに使われるようになったであろう写真に対し、油絵の優位性にこだわっている印象を受けました。けっこう絵の元になっているのは写真だったりするんですよ~。例えば単なる建物の写真に人々を描き加えて街の賑わいや活気も表現しようとしたり、絵画だからこと表現できることを追求していたように思いました。
鮭をはじめ静物画や人物画が有名ですが、展示作品には風景画が数多くあり、私はけっこう気に入りました。浮世絵を参考にしているという、近くの木々を細密に描き、その向こうに遠景を描くという構図。空の描き方がすごく素敵だと思いました。特に夕暮れの少しオレンジに染まった空が、とても荘厳な雰囲気で良かった。光を受けて輝くような雲なども美しかったです。あのような描き方は、すごく西洋画っぽいな、と思います。カナレットとかそんな感じ?イタリア人のフォンタネージという画家に教えを受けた影響もあるのでしょう。
さてお目当ての「豆腐」は?…なんかしみじみした気持ちで見てしまいましたね~。西洋の技法を用いて日本独自の食べ物を、それも今まで日本画家も描いたことのないようなものを、実に忠実に写実しようとしているその真摯さを思って。食感とか触った感じとかも独特の素材ですもんね。日本人が見るのと外国人が見るのとでは、また受け止め方は全く違うでしょうね。
強い意思を持ってある意味、闘ってきた画家である高橋由一。彼に「これからは洋画だ!」と思わせた衝撃ってどんなだったんでしょうか。こういう人がいたから今の日本の絵画があるのだものね。彼の生きた激動の時代を重ね合わさずにはいられませんでした。
京都国立近代美術館のコレクションギャラリーでは、高橋由一展にちなみ「京の由一 田村宗立」展を開催。渾身のA2サイズのチラシ(何故にそこまで…!)は大きすぎて掲載できませんが、なかなか特異な作家であったようです。(インパクト強し)
こちらは28日(日)まで。
本日が最終日、思ったより混んでましたね。そしてまた、客層が案外幅広く(老いも若きも)かつ中高年の男性が目立っていました。
みんな、同じ気持ちなんでしょうか?教科書で見たあの「鮭」、やっぱりこの眼で見ておかなくっちゃ!というような。私もかくいう一人…鮭もですけど「豆腐」を見ておかなくてはいけない気持ちになったんですよね~。
「鮭」は有名ですけど、高橋由一のことはあまり知りませんでした。黒田清輝などとは違って外国に行くことなく、つまり西洋画ではなく、日本の洋画を開拓した人だったのです。
彼にとってのポイントは「写真」だったのではないでしょうか。由一は絵画の使命は記録すること、油絵は耐久性にも優れ写真よりも後世に記録を残すことに適していると考えました。明治に入り、さかんに使われるようになったであろう写真に対し、油絵の優位性にこだわっている印象を受けました。けっこう絵の元になっているのは写真だったりするんですよ~。例えば単なる建物の写真に人々を描き加えて街の賑わいや活気も表現しようとしたり、絵画だからこと表現できることを追求していたように思いました。
鮭をはじめ静物画や人物画が有名ですが、展示作品には風景画が数多くあり、私はけっこう気に入りました。浮世絵を参考にしているという、近くの木々を細密に描き、その向こうに遠景を描くという構図。空の描き方がすごく素敵だと思いました。特に夕暮れの少しオレンジに染まった空が、とても荘厳な雰囲気で良かった。光を受けて輝くような雲なども美しかったです。あのような描き方は、すごく西洋画っぽいな、と思います。カナレットとかそんな感じ?イタリア人のフォンタネージという画家に教えを受けた影響もあるのでしょう。
さてお目当ての「豆腐」は?…なんかしみじみした気持ちで見てしまいましたね~。西洋の技法を用いて日本独自の食べ物を、それも今まで日本画家も描いたことのないようなものを、実に忠実に写実しようとしているその真摯さを思って。食感とか触った感じとかも独特の素材ですもんね。日本人が見るのと外国人が見るのとでは、また受け止め方は全く違うでしょうね。
強い意思を持ってある意味、闘ってきた画家である高橋由一。彼に「これからは洋画だ!」と思わせた衝撃ってどんなだったんでしょうか。こういう人がいたから今の日本の絵画があるのだものね。彼の生きた激動の時代を重ね合わさずにはいられませんでした。
京都国立近代美術館のコレクションギャラリーでは、高橋由一展にちなみ「京の由一 田村宗立」展を開催。渾身のA2サイズのチラシ(何故にそこまで…!)は大きすぎて掲載できませんが、なかなか特異な作家であったようです。(インパクト強し)
こちらは28日(日)まで。