アートの周辺 around the art

美術館、展覧会、作品、アーティスト… 私のアンテナに
引っかかるアートにまつわるもろもろを記してまいります。

『一人快芸術』展

2010-01-25 | メディア情報
1月20日の日経新聞より。

現在、広島現代美術館で開催中の展覧会が紹介されていて、すごく興味を持ちました。
昨今、「アウトサイダーアート」などが注目されていますが、表現する側にあちら側とこちら側があるというのは、考えれば考えるほどその境目はわからなくばかり。
下記は、HPの解説より。

 ◆ ◆
本展覧会は創ること、行為することそのものの楽しみや悦びに裏打ちされた表現に注目し、様々な分野における多彩な活動を紹介するものです。近年アウトサイダーアートとして注目を集める、知的障がい者やアマチュア制作者から、職業的なプロとしてのアーティストの作品まで、19人/組による活動を紹介します。
 ◆ ◆

この展覧会は、あえてその境目をなくすかのようにいろいろな作家の作品を取り上げているのが興味深い。(梅佳代も出てる!)
キーワードは「一人快芸術」、自己充足の行為という意味合いをもつ造語ということだが、アールブリュットの展覧会などで、作品に圧倒されるばかりの行為への執着を見ると、なんてすごくぴったりな言葉なんだろう。
「芸術」「アート」って何なんだろうな~、行為を通して他者とコミュニケートすることも大きな意味があるのだと思っているけど、さて…?そんな疑問をさらに大きくしてくれそうな展覧会。

2月21日まで。関西にも巡回してほしいなあ!!
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岡本太郎!

2010-01-22 | アーティスト
東京で根津美術館に行ったあと、近所にある岡本太郎記念館に行きました。何年か前にブルーノートに来た時、お庭を覗いてすごく行きたかったのだけど、その時は残念ながら休館だったのでした。
中は、撮影ご自由にどうぞ!ってのが楽しかったです。作品がいっぱいたてかけてあるアトリエや太郎人形もあるお部屋、そしておもしろい彫刻がいっぱいある庭。OKって言われるとパシャパシャ撮ってしまうものですね。
皆さん、知ってましたか?今はなき近鉄バファローズのシンボルマークは太郎さんのデザインだったのですよ!そしてそれとは全く違うバージョンの幻のマークも展示されていました。

しかしながら、考えてみると岡本太郎ってすごく有名なアーティストなのに、代表的な作品というと「太陽の塔」しか思い浮かばない…、となると最近渋谷に展示された「明日の神話」見つかって、そして展示することができて本当によかったと思います。



「明日の神話」@渋谷マークシティには、去年東京に行ったときに訪ねました。思った以上にでっかくて、色彩もとても鮮やかで、何というか「怒り」や「恐れ」など、まっすぐな感情がぶつけられている(爆発?)作品だと思いました。
吹田でも広島でもなく、一番人の目に触れるであろう渋谷に展示されたのはいいけれど、私が見ていた限りでは、あの巨大作品に目を向けて通る人はほとんどなく、風景と化してしまっていることがとても残念だと思いました。(私のように写真を撮る観光人も2~3人はいましたが)

記念館には、太郎さんのご著書も多数販売されていました。読んでみたい本もいろいろあるんだけど、何から手をつけていいか、いつも迷って買いそびれてしまうのよね…。岡本太郎、何故か、何度でも出会ってしまう人のような気がします。
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東京 美術展めぐり その2

2010-01-18 | 美術館
2日目は今回の旅行の目玉ともいえる、根津美術館訪問です。
昔東京によく美術展を見に来ていたときも、根津には足を運んだことがなく、初訪問となりました。表参道駅を出て、プラダビルを見上げ歩くこと10分弱、見えてきたのは都会のオアシス的な木々に囲まれた静かな佇まいの美術館でした。

エントランスを入ると、お~素敵なお庭を望み、そこには何体もの仏像がお出迎え。ちょっと想像していたイメージと違うゾ。これから、どんな空間が待ち受けているんだろう?とワクワクが高まります。
新創記念特別展も第3弾、企画展は「陶磁器ふたつの愉楽 観るやきもの・使ううつわ」(2/28まで)。私はお茶に関しては全くの不案内ですが、お茶をとおして使うための器が価値を高めていったのがよくわかります。

とってもおもしろかったのは、茶事で供される四季おりおりの食事を文字によるメニューと器のセッティングだけで見せていたこと。北大路魯山人が言っていたように、料理があってこそ器が生きる、というのはわかるのですが、展示の企画としては、かつて見た実際の料理を盛った写真などは、どうもイマイチだったのです。今回は、趣向を凝らした器の組み合わせとメニューを見て、あれこれ想像力を働かせることは本当に楽しかったです。お茶に詳しい友人と見たことも、とても良かったのだと思います。やはり鑑賞するにあたっての知識を与えられるのって大切だなあ、と感じました。

あと併設展示でも、お茶道具に被せる裂や更紗も珍しくておもしろいなあと思いました。いい服着せてもらってますな~って感じ。そして最後に古代中国の青銅器。紀元前13、12世紀のものとはスゴイ!しかも何なんだかさっぱりわからなくて、宇宙人の忘れ物みたいでした。不思議な魅力。

ひととおり見終わったら、もちろんNEZUCAFE。ちょうど時間的にも昼食をとられるお客様でいっぱいでした。お茶とケーキもとってもおいしかったです。その後広大な素敵なお庭を散策しました。今回は冬の真っ最中だったけど桜とか紅葉とか季節のいい時はもっと素敵なのでしょうね。
眼においしいものをいっぱい見せてもらって、とっても憩えるまさに都会のオアシスでございました!
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東京 美術展めぐり その1

2010-01-15 | 展覧会
ここのところ寒いですね~。
さて、この前の連休を利用して、今年も東京まで美術展めぐりに行ってきました。どうもこの時期はもひとつ目玉の展覧会が少ない気もいたしますが、それでもさすがトーキョー!いろいろバラエティーに富んだ展覧会を見ることができました。

まず訪れたのは、六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで開催されている「ヴァンクリーフ&アーペル ザ スピリット オブ ビューティー展」。宝石は女性の憧れですからね~、お客様も女性がいっぱいで、みなさん眼がうっとりしておられました。高級ジュエリーが故、なかなかショップでショーケースに鼻くっつけて見るのも憚られますが、ここでは思い切り眺めまわすことができました。
この展覧会は、4つのテーマ「自然のスピリット」「エレガンスのスピリット」「冒険のスピリット」そして「インカーネーション(美の化身)」で構成されていますが、まずいきなりのお部屋のディスプレーがとっても素敵!木の幹を思わせる白いオブジェに球体のケースに入った宝石が置かれていたり、透明な筒にまばゆいばかりの宝石が吊るされて揺れていたりして、とっても幻想的でした。宝石そのものの大きさや輝きもさることながら、独創的なデザインや細かな細工は見ても見ても飽きない美しさ。宝石ごとの個性も際立っていて、ルビーって何ともいえない可愛らしさを醸し出し、サファイヤのブルーは本当に深みと気品があります。1個もらうならコレやな、(誰がくれるねん!)などと思いながら見ていましたが、最後のパートでは、グレース王妃はじめ世界の名だたるスターや王族の女性が身に着けていたジュエリーが紹介されていました。高価なジュエリーに物語がまつわると、いっそうの価値を持ち輝きを増すように思えました。(1月17日まで)

あとこの日訪れたのは、ミッドタウンの21_21デザインサイトの「見えていない輪郭」展、いろいろなおもしろいデザインの製品が置いてあって、椅子には座れたりして、ショールームに行ってるみたいで楽しかったです。(1月31日まで)
それからサントリー美術館「清方ノスタルジア」展、新しくなって初訪問のサントリー、鏑木清方の作品をまとめて見る初めての機会。名前の通り、描かれている女性は本当に清らかで、まとめて見ると、まさしく肉筆浮世絵のような情緒豊かな世界を描いていたことが見て取れました。思ったより男性のお客様が多かったなあ…。会期も終わりかけで、「妖魚」が見れなかったことが残念でした。

こうして怒涛の1日目は終わり、さあ、次の日はいよいよ新装!根津美術館です。つづく。
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新年ごあいさつ

2010-01-03 | 展覧会
あけましておめでとうございます。2010年の幕開けです。
昨年はついにブログを立ち上げ、毎日ご覧くださる読者の皆さまには、本当に感謝しております。なかなか頻繁に更新できませんが、今年もお付き合いいただけましたら幸いです。

さて、昨年はかなり展覧会に足を運ぶことのできた1年でした。(その分、映画は減りました。体はひとつなのでしょうがないです)といっても、マイ・ホーム・ミュージアムでの展覧会を含め25本程度で、ベスト10を選ぶほどでもありませんので、昨年のベスト3を振り返ってみます。

①「レオナール・フジタ展」上野の森美術館
今年1月、東京まで行ったかいのあった見応えのある展覧会でした。今までぼやっと認識していた藤田を、かなりくっきりと知ることができました。晩年の宗教絵画や、フランスのアトリエでの手仕事による雑貨など、とても素敵だと思いました。

②「上野伊三郎+リチ コレクション展」京都国立近代美術館
時間があったので何となく出かけた展覧会でしたが、大当たりでした。上野伊三郎とリチは、京都市立美大(現・京都市芸大)で教鞭をとりデザイン教育に貢献した夫婦ですが、伊三郎が建築、リチは室内装飾、テキスタイルデザインの分野で活躍しました。心魅かれたのは、リチのテキスタイルデザイン。なんて、なんてカワイイんだ!!フレームに入れて飾りたかったのに絵ハガキが売ってなくて残念でした。でも図録買いました。

③「杉本博司 歴史の歴史」国立国際美術館
第3位は、やや迷いますが、スケールのでかさと杉本さんの私物コレクションの素晴らしさに感服いたしました。展示空間の演出も良かったです。異次元体験が楽しめました。ルーブルも若冲も白髪さんも良かったけど。次点にしておこう。

さあ、今年はどんな展覧会に出会えるでしょうか。とてもワクワクです。

ちなみに映画では、20年以上前の名作が見れて幸せでしたのよ。「ミツバチのささやき」「汚れた血」、ホント眼に美味しい映像でした。

では、今年もどうぞよろしくお願いいたします!
コメント (2)
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