アートの周辺 around the art

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引っかかるアートにまつわるもろもろを記してまいります。

直島への旅(2)ジェームズ・タレル

2017-12-21 | 旅×アート

光と空間を題材に、興奮の視覚体験をもたらしてくれるアーティスト、ジェームズ・タレル。ググってみたら、世界中に美しい作品があるようですね~。彼の名前を知ったのは、前回、直島へ出かけた際に、「南寺」の作品で。全然内容を知らずに参加したものだから、最初はわけがわからなくて、そして興奮の体験が!…と、これはぜひ現地で体感していただきたいので、多くは語りませぬ。

そして、金沢21世紀美術館の「タレルの部屋」、四角く切り取られた天井から、空を眺める「Blue Planet Sky」という作品。そのアイデアの斬新さが面白く、じっと空を見上げました。広い空を見ている分には気付かない、雲の流れによる画面の移り変わりは、見ていて飽きません。

今回、直島の地中美術館の「オープン・スカイ」も同様の作品なのだけど、違っているのは、お部屋の壁にLEDが仕込まれていること、そして、ナイトプログラムがあること!

ナイトプログラムは、毎週金・土曜日のみ、しかも完全予約制で定員も限られているので、今回、参加することができて、ラッキーでした。「日没に合わせての45分間の特別プログラム」ってことですが、あまりよくわかってなくて、日が沈んでいく光の変化をみる…だけなのかナ?と思っていましたが、まさにその通りでした!ところが、それが、すっごくおもしろかった!

スタートは日没後。なので季節によって開始時間が変わります。冬至も近づく12月ですから、集合は4時半です。参加者は、けっこう外国の方が多かったです。空がパッカと開いたスペースですから、皆、しっかり防寒しています。5時前に、スタッフに引率されて、もう真っ暗になったコンクリートのトンネルを抜け、「オープン・スカイ」のお部屋へ。そしてぐるりとベンチに腰掛けます。

「お静かに」と言われ、観客は息をひそめて空を見上げます。日が沈んだとはいえ、空はまだ水色。薄い雲が流れるのが見えます。じっと眺めていると、だんだん夜の暗さが覆っていく様子が見えます。そこで視覚を攪乱するのが、壁に仕込まれたLED電灯。ピンクとか、グリーンとか、壁全体の色味が変わることによって、空の色がどんどんと変化して見えます。実際に空の色が変化していくのと、壁の色の変化で見え方が変わる視覚マジックに、すごく不思議な空間に身を置いているような気がして、みんな、あんぐり(口は開けてない)空を見上げて、45分間の色彩のステージを堪能したのでした。そんな不思議空間なのに、風が吹くと、ザワザワと音がして、自然の中にいる、という感覚が呼び戻される。もうすっかり闇となった空に、小さく星が見えた気がしました。壁の色合いが変わっていくとき、一瞬空の色と一体化して、空間の真綿にくるまれているような感覚を味わいました。めっちゃ、おもしろかったです。おすすめです。

さあて、2日目は、豊島・犬島へ渡ります。つづく…!


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