歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

ベラール『デュファイ_ミサ・アベ・レジナ・チェロルム』

2010年01月07日 | CD 中世・ルネサンス
Guillaume Dufay
Missa Ave regina caelorum
Ensemble Cantus Figulatus
Schola Cantorum Basiliensis
Dominique Vellard
0710 SAN 85

1985年録音。46分35秒。STIL。デュファイ晩年の傑作ミサを、グレゴリオ聖歌をはさみ込んで雰囲気ゆたかに演奏しています。個性的な名演奏だと思う。優美で、かつ、しなやか。もう何年も前に入手したものですが、これも当時から入手しにくいCDでした。STILはフランスのマイナー・レーベル。

すべて男声による。声は古拙なような、それでいて各声部が絶妙にブレンドされていて、ふしぎな一体感がある。とにかくね、デュファイの音楽のふところに自然に入り込んで、自信もって歌ってる、って気配がそこらにみなぎっている。聴いていて、これこそデュファイの神髄だ、って気がしてくるのね。15世紀フランドルの空気感。

ドミニク・ベラールという音楽家は、やや地味だけど、わたしの聴いたどの録音も手堅く、説得力ある音楽づくりをする人です。『エルチェの神秘劇』もよかったし、シャンソンのCDもよかった。しかし何でも屋という感じではなく、自分にあったレパートリーがよく解っている人なのだと思う。このデュファイのミサはわりと初期の仕事ですけど、すでに密度の濃い、聴きごたえのある録音になってます。

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