歌わない時間

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イェイツ『ヘンデル_ハープシコード作品集』第1巻

2013年02月21日 | CD ヘンデル
Handel
Harpsichord Works Volume 1 (1733)
Sophie Yates
CHAN 0644

1998年録音。67分03秒。CHANDOS。ソフィー・イェイツはシャンドスからヘンデルのアルバムを3枚出しています。そのVolume 1がこれ。HWV番号でいうと434から439まで。1733年の『クラビーア組曲集』全9曲のうち、第1番から第6番まで。なお、残りの3曲のうち、第7番と第8番はVolume 3で録音されています。(第9番は未録音。)

オペラ作曲家だったヘンデルにとって、鍵盤楽器のための作曲は余技に過ぎなかったんでしょうが、それにしても、よく歌う魅力的な音楽がここにはある。イェイツを聴いたのはこれが初めてなんですが、華があっていいです。

ここでイェイツは、ヘンデルにおける典雅さ、というかフランス・ロココっぽい艶やかさを強調しています。アンニュイ。華やかさのなかにひそめられた憂い。こういうのは、これまでわたしの気づいていなかったヘンデルで、そういう意味でじつに面白かった。

しかしそればかりではなく、やはり、雄渾な、男っぽい側面も。たとえば組曲第4番の第3楽章(トラック13)は、弦楽合奏版で有名な「サラバンド」の原曲。NHKで放送されたドキュメンタリー『アウシュビッツ』の、確かエンドタイトルに流れた曲。

ヘンデルのクラビーアのための曲を全部録音するためにはCD4枚必要なようで、イェイツはまだ3枚しか出していません。でもイェイツのヘンデル・シリーズはとりあえず3枚で完結しちゃったみたいね。わたしはこのイェイツの1枚と、あとスコット・ロスの2枚組があるので、それでよしにするつもり。

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