歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

AnnaとEmma

2014年05月23日 | 気になることば
『アナと雪の女王』の「アナ」は原語では〈Anna〉だそうです。むかしは、これをカタカナでは「アンナ」と書いた。たとえば、リヒターの時代に、バッハ歌いのメゾソプラノでAnna Reynoldsという人がいましたが、この人はずっと「アンナ・レイノルズ」だった。この人のことを「アナ・レイノルズ」などと書いたものをわたしは見たことがない。

たしかにまあ、『アンナと雪の女王』だと、ちょっとひなびた、というか、のどかな雰囲気が出ちゃうよね。わたしは別に『アナと雪の女王』という邦題を攻撃するつもりはありませんよ。アナ。今ふうでよろしい。

これに似たのが〈Emma〉という名で、古楽の女王と言われたEmma Kirkbyをもって知られている。もちろんわたしはこの人の名前をカタカナでは「エマ・カークビー」と書くし、古楽について書く人は今はみんなそうだと思いますよ。でもEmma Kirkbyが日本で知られるようになってしばらくは、そうでもありませんでした。1970年代の後半から80年代のはじめ。「エンマ・カークビー」と書かれることもないではなかった。それが次第に、まあ記憶では80年代の半ばごろには「エマ」で固定化したように思います。

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