荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

東京の正岡子規(リメイク版)-3

2015年05月17日 | 散文
下町を走っていると多くの場所で子規に出逢う。

(常盤会跡)
坪内逍遥旧居跡に旧松山藩主久松家が育英事業として造った寄宿舎の跡(以降、愛媛県がその育英事業を継承した)。
子規もここ本郷炭団坂の上に住んだ。
坂下の谷底は宮沢賢治や樋口一葉が住んだ菊坂であり、谷の向こうの本郷台地に子規が中退した東大が見える。
そんな場所に、喀血しながら作った短歌が書き留められている。

「ガラス戸の外面に夜の森見えて清けき月に鳴くほととぎす」


(鷲神社)
「樋口一葉玉梓乃碑」と並んで建つ子規の句碑。
酉の市では大賑いの神社も、普段は訪れる人が居なくて閑散としている。

「雑閙や熊手押しあふ酉の市」

ここでは「たけくらべ」の樋口一葉が圧倒的に強い。
2基の石碑がある。しかも、子規より大きい。





(下谷神社)
寄席発祥の地、下谷神社に建つ子規の句碑。

「寄席はねて上野の鐘の夜長哉」


(浅草寺)
浅草寺にある子規の句碑。
向こうに五重の塔が見える。

「観音で雨に逢ひけり花盛」

余談:御行の松から浅草寺までの、4点の石碑の字体が同じである。誰の字だろうか?


(正岡子規記念球場)
平成20年、上野公園にある小さな野球場に子規の名が付いた。



「春風やまりを投げたき草の原」
正岡子規は、臨終の地東京の人々に愛されている。

もちろん、ふるさと松山でも。
道後駅の近くにある像。

「まり投げて見たき広場や春の草」


以上でこのシリーズを終わります。
お付き合いありがとうございました。
腰はだいぶん良くなりましたので、自転車再開!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする