大成殿を出て石段を下りて左に曲がって庭園の中を歩きます。湯島聖堂はご存じの通り、江戸時代に昌平坂学問所として、武士の子弟の教育機関でした。そのころのことを想像して歩くと、僕の脇をチョンマゲを結って袴をはいた若者達が通り過ぎてゆきます。
そのまま路なりに行きますと正面にやや大きめの立像が目に入ってきます。
孔子像です。
昌平坂学問所は、江戸初期の漢学者林羅山の建てた私塾「弘文館」が前身だったといわれています。
羅山の私塾には孔子廟もあったようで、それがそのままくっついてきたようです。
まあ漢文学を勉強するものにとって儒学は避けて通ることの出来ない分野ですから当然と言えば当然なのでしょう。
僕が勝手な想像をしながら歩いていると、その想像を打ち破るように孔子像の足下を見ると何か動くものが見えました。
そ~っと近づいてみると
実に哲学的な顔をした猫君でした。
孔子像を守るように端然として座っております。
僕の存在なぞ全く意に介さず、何事かの命題に深く思考を及ばせているご様子。
僕はこの後彼の1メートル先まで近づいたのですが、視線を一点に集中させたまま微動だにしませんでした。
この孔子像を左に見ながら更に進みますとコンクリート製の重厚な建物が見えてきます。
史跡湯島聖堂,財団法人斯文会
の建物です。
湯島聖堂を史跡として長く後世に伝えるために、様々な活動をしていらっしゃいます。
ただ保存すればいいと言うのではなく、積極的にその存在をピーアールして世間における認知度を上げることもその活動に入っています。
その最も特徴的な活動は文化講座です。
内容は漢文に関するあらゆるものといった方が適当かもしれません。
所定の手続きをすれば誰でも受講できます。
一番高い講座で年間授業料が6万円弱ですから、中学校の塾よりうんと安い。
そうすると講師の方は高等学校を引退された方がボランティアでやっているのかなと思うのですが、これが東大をはじめとする、北海道、茨城、筑波、の国公立大学や、早稲田、二松学舎といった私立大学の現役バリバリの名誉教授の方々が教えてくださる。
こういった方々が、論語の素読、史記解説から、漢詩の朗読、作成、吟詠、書道、漢字の起源から、中国画、中国楽器の演奏、健康太極拳(これが一番高い)までを選べます。
一番おやすいコースで
論語素読土曜コース 松川 健二 昼 第一土曜(年10回) 5,250円
てのもあります。
有朋自遠方来、不亦楽乎
朋遠方より来たる有り、亦た楽しからずや
なんてのは学生のころは、全然ピンと来なかったわけで、なに当たり前のことを言っているんだという気持ちぐらいだったのですが、
故郷を離れて都会で一人暮らしをして、たまに実家に帰ると、すぐに友達から電話があって、「なーに~?帰ったきとったん?げんきしとったとね?今あいとる?すぐいくけん、ちょっとまっちょってよ」なんて電話をもらうと実感として理解できてしまったりしますね。
論語学而編のその前の部分である
學而時習之、不亦説乎
學びて時に之を習う、亦た説ばしからずや
だって、自分が本や雑誌やネットで見つけて「これってちょっと良い感じかもしれない」って思ったことが、全く別の場面で、それが仕事の話であったり、友達との会話であったりしても、「そう!それってこういうことでしょ、私も気になっていたんだ!」って得た知識が実際の場面でタイミング良く使えたときって、もの凄くうれしいって思うでしょ。
こういうのはやっぱり学生の時、ワケがピンとこなくても覚えた経験があって、それが反復されたときに、実感として理解されるわけですね。
斯文会の文化講座にはテストもなければ偏差値もないし成績も落第もないんですね。そういった教室にいる学生さん達の顔ってどんな表情なんでしょうね。
僕は家が遠いから断念せざるを得ないんですが、いつかきっと参加してやろうと思ったりしてます。
これで僕の東京紀行は終わりです。
次は番外編で「裏東京紀行 秋葉原メイド喫茶潜入編」ははじまりません。
ご精読ありがとうございました。
そのまま路なりに行きますと正面にやや大きめの立像が目に入ってきます。
孔子像です。
昌平坂学問所は、江戸初期の漢学者林羅山の建てた私塾「弘文館」が前身だったといわれています。
羅山の私塾には孔子廟もあったようで、それがそのままくっついてきたようです。
まあ漢文学を勉強するものにとって儒学は避けて通ることの出来ない分野ですから当然と言えば当然なのでしょう。
僕が勝手な想像をしながら歩いていると、その想像を打ち破るように孔子像の足下を見ると何か動くものが見えました。
そ~っと近づいてみると
実に哲学的な顔をした猫君でした。
孔子像を守るように端然として座っております。
僕の存在なぞ全く意に介さず、何事かの命題に深く思考を及ばせているご様子。
僕はこの後彼の1メートル先まで近づいたのですが、視線を一点に集中させたまま微動だにしませんでした。
この孔子像を左に見ながら更に進みますとコンクリート製の重厚な建物が見えてきます。
史跡湯島聖堂,財団法人斯文会
の建物です。
湯島聖堂を史跡として長く後世に伝えるために、様々な活動をしていらっしゃいます。
ただ保存すればいいと言うのではなく、積極的にその存在をピーアールして世間における認知度を上げることもその活動に入っています。
その最も特徴的な活動は文化講座です。
内容は漢文に関するあらゆるものといった方が適当かもしれません。
所定の手続きをすれば誰でも受講できます。
一番高い講座で年間授業料が6万円弱ですから、中学校の塾よりうんと安い。
そうすると講師の方は高等学校を引退された方がボランティアでやっているのかなと思うのですが、これが東大をはじめとする、北海道、茨城、筑波、の国公立大学や、早稲田、二松学舎といった私立大学の現役バリバリの名誉教授の方々が教えてくださる。
こういった方々が、論語の素読、史記解説から、漢詩の朗読、作成、吟詠、書道、漢字の起源から、中国画、中国楽器の演奏、健康太極拳(これが一番高い)までを選べます。
一番おやすいコースで
論語素読土曜コース 松川 健二 昼 第一土曜(年10回) 5,250円
てのもあります。
有朋自遠方来、不亦楽乎
朋遠方より来たる有り、亦た楽しからずや
なんてのは学生のころは、全然ピンと来なかったわけで、なに当たり前のことを言っているんだという気持ちぐらいだったのですが、
故郷を離れて都会で一人暮らしをして、たまに実家に帰ると、すぐに友達から電話があって、「なーに~?帰ったきとったん?げんきしとったとね?今あいとる?すぐいくけん、ちょっとまっちょってよ」なんて電話をもらうと実感として理解できてしまったりしますね。
論語学而編のその前の部分である
學而時習之、不亦説乎
學びて時に之を習う、亦た説ばしからずや
だって、自分が本や雑誌やネットで見つけて「これってちょっと良い感じかもしれない」って思ったことが、全く別の場面で、それが仕事の話であったり、友達との会話であったりしても、「そう!それってこういうことでしょ、私も気になっていたんだ!」って得た知識が実際の場面でタイミング良く使えたときって、もの凄くうれしいって思うでしょ。
こういうのはやっぱり学生の時、ワケがピンとこなくても覚えた経験があって、それが反復されたときに、実感として理解されるわけですね。
斯文会の文化講座にはテストもなければ偏差値もないし成績も落第もないんですね。そういった教室にいる学生さん達の顔ってどんな表情なんでしょうね。
僕は家が遠いから断念せざるを得ないんですが、いつかきっと参加してやろうと思ったりしてます。
これで僕の東京紀行は終わりです。
次は番外編で「裏東京紀行 秋葉原メイド喫茶潜入編」ははじまりません。
ご精読ありがとうございました。