古代ブログ 98 「神無月」「霜月」のこと
2019年1月1日になりました。1年の始まりを月( moon、Luna )のことから始めます。
12月に松岡正剛さんの『ルナティックス ー 月を遊学する ー』(中公文庫、2005年、原著1993年作品社)を読んでいて、こういう叙述にぶつかった。
「霜月は当て字である。もともと神無月が当て字で、これは折口信夫が最初に言い出したのだとおもったが、カンナヅキは本来「上な月」のカミナヅキで、これに対して「下な月」としてのシモナヅキがあったらしい。それが寒い霜月に変わったのだった。」(p243)
折口信夫さんをしっかり読んだことがないのだが、ボクはあっと思った。
神無月は10月で、霜月は11月だ。
1年は12ヶ月だが、日本では古くから6月末に境目のある「2倍年暦」の可能性がいわれている。もちろん否定説もある。
『古事記』『日本書紀』の天皇の寿命が2倍くらい長い。古代の世界ではアジア南方系の暦が2杯年暦の可能性があるらしい。
ボクは2杯年暦の可能性を探っている
それで、日本の月名をもういちど見直してみた。
その結果、4月「卯月 うづき」と5月「さつき」が怪しいと思った。
もし11月、12月が「かみつき」「しもつき」で「上下」だとするなら、前半に「左右」があってもおかしくはない。
まさに「うづき」=右、「さつき」=左、ではないのか。
古代の原日本の月名はわからなくなってしまったか、わざとわからなくした、という可能性もあるかもしれません。
1年の前半のうち4月、5月で右左、1年の後半のうち10月、11月で上下と符合している。
なにか文献・傍証がないか探ってみます。
( 20時20分補正 )