雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

原発と放射能の本 たくき よしみつ『裸のフクシマ』講談社、2011年10月

2012年05月16日 05時51分30秒 | 原発を考える1
原発と放射能の本 たくき よしみつ『裸のフクシマ ー原発30km圏内で暮らすー』講談社、2011年10月15日第1刷~2012年1月13日第4刷、350ページ、定価1600円+消費税

 たくきさんの家は「1F(福島第1原発)」から25kmの距離にあります。

 そのたくきさんの、3月11日からの、珍しいくらいリアルな地元民の記録です。

 「まえがき」から凄く面白いです。つまり、日本全国の原発で立地県名を原発名に入れた原発は「福島第一原発」「福島第二原発」と「島根原発」しかないのです。

 「この名称の付け方が、すでに福島県の「セキュリティの甘さ」を物語っている。浜岡原発が静岡県に、玄海原発が佐賀県にあることを知らない日本人も多い。チェルノブイリがロシアではなく、ウクライナにあることを知らない日本人も多い。もしも、福島第一原子力発電所が、他の原発同様に「大熊双葉原発」という名前だったら、いま、福島県の人たちが抱えている苦痛は、ほんんの少しだが軽減されていたかもしれない。」(p1)

 ほんとうは、今回の事態を体験した福島県民全員が、書ける人から、こういう体験記を書くべきだと思います。広島・長崎の原爆被爆者が、自分の体験記を書いて、あるいは話をして、真実を広めてきたように。

 たとえば、全電源喪失を知った瞬間、遠くへ逃げた人と政府を信じて逃げなかった人
 村長の決断で放射能雨を逃れた村民と浴びた村民
 福島を愛する人同士で起きている憎悪劇
 愚劣な「一時帰宅」ショー
 笑えないジョーク(なのか?)「地下原発議連」

 他に類のない、良書だと思います。(原発推進村からは、とんでもない「悪書」ですね)。

 だいじなのは、そのとき、あなたは、みんなは、何をどう見て、どう感じたか、というリアリティです。

 最近は「放射能は安全」「福島原発事故は心配ない」という「トンデモ本」も何冊か、出ているようです。くわばら、くわばら。神さま、これらの罪人を許したまえ。いや、神さま、地獄へ落としてもいいですよ。


 
 

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