雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

人間宇宙生命社会 『資本論』ー自分なりの簡潔な中間まとめ  20210619   雨宮智彦

2021年06月19日 16時57分56秒 | 人間宇宙生命社会
人間宇宙生命社会 『資本論』ー自分なりの簡潔な中間まとめ  20210619   雨宮智彦





 『資本論』全3部を、ひとまず終えるにあたって「自分なりの中間まとめ」を簡単にしておきたい。細かく書けばきりがないし、いまはそんな時間もあまりない。つぎの『資本論』全3部を読むにあたって、自分の覚え書き・メモとして書きとめておくだけです。




『資本論』は第1に、形態の経済学だと思います。商品ー貨幣ー資本ー信用は、いずれも形態転換の1形態です。素材や内容ではありません。商品ー貨幣ー資本ー信用と発展していくのは「形態転換」によると思います。


 ですから「商品」「貨幣」「資本」「信用」を形態転換してやれば、「商品」「貨幣」「資本」「信用」ではなくなってしまいます。


 資本主義社会から共産主義社会への転換は簡単ではないが、いちじるしく困難なものではないと考えます。問題なのは「社会主義社会」の概念のあいまいさ・多義性でしょうか。




 『資本論』は第2に、主体ー客体の逆転・転倒の経済学です。


 本来は社会の主人公である国民・労働者は階級社会と資本主義のなかで最終的に主体でなくなってしまい、資本家の支配下・管理下におかれます。しかし、資本家も資本主義のなかで動かす主体でなくなり動かされる客体となり、「資本」が主体となります。


 そういう人間が物の支配下におかれる「物象化」「疎外」がおこり、人間を支配・管理します。『資本論』がていねいに教えてくれるとろです。


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 『資本論』は第3に生産・流通・消費のすべての段階で「貨幣」がはさがってくるために、「競争」「市場」「貨幣」があり「資本の剰余価値を追求する」かぎり、社会・国民の統制・管理はできないだろうということです。


 社会・国民の統制・管理ができないことと、「資本の剰余価値を追求する」ことが同等。メダルの両面ではないかと思います。


 このことはマルクス主義でも、あまり重視されていないと思います。しかし、『資本論』第2巻・第3巻では、そのことが深く分析されていると思います。それは『資本論』第2巻・第3巻を理解するうえでの中心課題だろうと思います。




 以上のことを、これからの『資本論』再読のガイダンスの1つとしながら、自分の中間まとめ「2~4」も正しいかどうかも含めて、学習していきたいと思います。




 『資本論』の学習に役だっている本として、マルクスでは『資本論草稿集 全9巻』大月書店(その1部が『剰余価値学説史』全集版)などが役に立ちます。『経済学批判』もいいです。


 マルクス以外では以下のマルクス主義経済学者の著者名をあいうえお順であげておきます。大谷禎之助さん、久留間鮫造さん(とくに『レキシコン』)、不破哲三さん、宮川彰さん。誰のものでも科学として批判的に読むなら有益です。以上。