ことばと詩 61 田中芳樹『銀河英雄伝説 1 黎明篇』より再び「ヤン・ウェンリー」のことば 20210611
田中芳樹『銀河英雄伝説』全10巻を図書館で借りて読み始めたのは、NHKテレビで最初の第1巻・第2巻をアニメ化したので興味が出たから。
とくに「自由惑星同盟」の青年提督ヤン・ウェンリーは、とてもおもしろい人格だ。軍隊ぎらいのくせに軍人になり何回かの大殊勲を経て提督になる。主人公として読者の感情移入がしやすい人だ。
それにたいして、仇敵の「銀河帝国」のローエングラム候ラインハイトでは、どこにも感情移入の余地はない。気の毒と思うだけだ。
2巻以降のヤン・ウェンリーの人生を、ゆっくり追体験していこうと思っている。
で、ヤン・ウェンリーの、今日のことばー。
「本来、名将と愚将のあいだに道義上の優劣はない。愚将が味方を100万人殺すとき、
名将は敵を100万人殺す。その差があるだけで、殺されても殺さないという絶対的平和主義の見地からすれば、どちらも大量殺人者であることに差はないのだ。
愚将が恥じるべきは能力の欠如であって、道義とはレベルの異なる問題である。だがこのことを言っても理解してはもらえないし、理解を求めることでもないように思われた。」
(p98)
田中芳樹『銀河英雄伝説』全10巻を図書館で借りて読み始めたのは、NHKテレビで最初の第1巻・第2巻をアニメ化したので興味が出たから。
とくに「自由惑星同盟」の青年提督ヤン・ウェンリーは、とてもおもしろい人格だ。軍隊ぎらいのくせに軍人になり何回かの大殊勲を経て提督になる。主人公として読者の感情移入がしやすい人だ。
それにたいして、仇敵の「銀河帝国」のローエングラム候ラインハイトでは、どこにも感情移入の余地はない。気の毒と思うだけだ。
2巻以降のヤン・ウェンリーの人生を、ゆっくり追体験していこうと思っている。
で、ヤン・ウェンリーの、今日のことばー。
「本来、名将と愚将のあいだに道義上の優劣はない。愚将が味方を100万人殺すとき、
名将は敵を100万人殺す。その差があるだけで、殺されても殺さないという絶対的平和主義の見地からすれば、どちらも大量殺人者であることに差はないのだ。
愚将が恥じるべきは能力の欠如であって、道義とはレベルの異なる問題である。だがこのことを言っても理解してはもらえないし、理解を求めることでもないように思われた。」
(p98)