雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

ことばと詩 45 萩尾望都さんの詩(『ポーの一族 4』「ペニーレイン」から) 20201211

2020年12月11日 09時56分26秒 | ことばと詩
ことばと詩 45 萩尾望都さんの詩(『ポーの一族 4』「ペニーレイン」から) 20201211


 萩尾望都さんは詩人です。そういうと、ウソお、萩尾望都さんはマンガ家でしょ、という声が帰ってきそうです。


 もちろん、萩尾望都さんはマンガ家です。でも萩尾望都さんのマンガに散りばめられたセリフの詩が、すごくいいんですね。


 マンガが無くても、詩として自立しているとボクは思う。


 そうかどうかは、たとえば「ポーの一族」シリーズを自分で見て(読んで)判断してください。


 『ポーの一族 4』「ペニーレイン」の


 「花畑の
  まんなかで
  とんぼがえりする
  コビトを見た


  それが
  神話の
  はじまり


  夜の庭には
  月に踊る妖精
  死んだこどもには
  バラの茎根を
  ナルキッソスには
  白い花嫁を


  竜よ
  天馬よ
 一角獣よ
 牧神よ
 イカロスよ


 目ざめよ
 目ざめよ
 もろもろの神話
 ー 時の夢よ ー」


 ちょっと詰め込みすぎっていうか、総動員の感じはありますが、ボクはこういうの好きですね。ぜひ詩観賞の角度で萩尾望都さんのマンガを読んでみてください。


 やはり、萩尾望都さんって「夜と闇と死」「寂しさ」がぴったり合うという感じですね。


 いま描かれている「ポーの一族」シリーズでアーサーのことを詳細に描いているんだから、キリアン・ブルンスウィックのその後も描いて欲しい。


 でないとマチアスが浮かばれない(「小鳥の巣」参照)。キリアンはマチアスの血を受け継いでいるのだから。以上、きわめて個人的感傷でした。