過去現在未来のメモリーノート 73 真理がわれらを自由にする 20191110
「真理がわれらを自由にする」は国立国会図書館に掲げられた有名なことばです。ボクは歴史学者羽仁五郎さんの本で知りました。
現在、東京本館の目録ホールの図書カウンターに日本語で「真理がわれらを自由にする」と刻まれ、ギリシャ語で同じ文章が刻まれているようです。
このことばの出自は、1948年(昭和23年)に国立国会図書館法が起案されたころ、羽仁五郎さんが参議院議員で参議院図書館運営委員長だったので法律の作成に参加、前文に「国立国会図書館は、真理がわれらを自由にするという確信に立って、憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される。」と書かれたことによるものです。
羽仁五郎さんは戦前の1920年代(かな?)にドイツに留学、ドイツ留学中にフライブルグ大学図書館で目にした銘文がもとになっているそうです。
これはキリスト教の「ヨハネ福音書」のなかの言葉です。ボクは昨日、福音書(岩波文庫)を読んでいて、この言葉を見つけました。
「多くの人がイエスを尾信じた。すると信じたユダヤ人に言われた、「もしわたしの言葉に留っておれば、あなた達は本当にわたしの弟子である。真理を知り、その真理があなた達を自由にするであろう。」」(p308、ヨハネ8・30~32)
キリスト教徒の中には、この言葉の意味が変わってしまったことで抗議している人もいます。全体がそうであるかは知りません。「ヨハネ福音書」から「国立国会図書館法前文」へ、「あなた達を」から「われらを」へ転換したことで「真理の意味」が変わってしまったんですね。
それは意味はそうだと思います。でも意義はボクは正しいと思います。