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ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

三種の神器

2007年07月22日 | 中学受験 行雲流水録
以前、某中学・高校の文化祭に行ったことがあります。その時、ひとつ気付いたことがありました。それは、その学校の生徒の接客のうまさです。全員が全員というわけではないのですが、大人としっかり会話ができる子をが多く見受けることができました。

ふつう思春期の男の子にとって、大人は総じて応対するのが面倒くさい存在です。ましてや、つまらない質問などされたら、「うざい」の一言につきるでしょう。しかし、彼らは丁寧に、にこやかに、臨機応変に対応してくれました。そのボキャブラリーの豊富さ、正確な敬語の使い方もさることながら、いやな顔ひとつ見せずに愛想良く接する姿に感心したものです。IQも高いのでしょうが、精神年齢も高い。そのへんの新入社員より、ずっと大人の態度に見えました。この「精神年齢の高さ」が彼らをして難関校に在することの所以かとひとり合点した次第です。

学力、特に国語の能力は精神年齢が大きく左右すると言われています。漢字や語彙の問題ならともかく、心情やテーマを読みとる能力、物を考えそれを文章にする能力は、まるきりの「お子さま」では難しいものです。ですから、国語の成績をあげるのは大変だといわれるので。しかし、大変は大変なのですが方法がないわけではありません。その一つは、「読んでは書き、読んでは書き」を気長に続けること。そして、もう一つ、ご家庭にしかできないことがあります。

それは、「子供としっかり会話すること」です。精神年齢をあげるために、これはかなり有効な手段です。話題のニュース、映画や本、自然体験。そういった題材を親子で楽しみ、親子で話し合う。 どうせ子供だから、と手を抜かず、きっちり向き合ってあげる。そんな小さなことの積み重ねが、大切なように思います。

もちろん、相手は小・中学生ですから「きみは、相対性理論についてどう思うかね?」なんて会話は無理です(笑)。しかし、「なんで、給食費を払わない人がふえてるんやろ」とか、「あの大臣は、ナンデ原爆投下はしょうがないなんていうたんや思う?」くらいの疑問は投げかけてあげていいと思います。

最初は、「さあ」とか「知らない」という答えしか返ってこないかもしれません。でもそういう時は、「もっと真面目に考えなさいよ!」などと怒らず、親自身の考えを述べて聞かせればいいのです。そのうちに慣れてきて、会話のキャッチボールをきちんとできるようになれば、自分の考えをはっきり述べることもできるようになります。ひいては、国語全体の成績もアップすることでしょう。読書、作文、そして会話。これは子どもたちの精神年齢の高めていく三種の神器です。

澪標
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