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ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

初めて出会う言葉

2009年12月18日 | 中学受験 行雲流水録
みなさんがこの世に生まれてきて、初めて覚えた言葉は何でしょう。赤ちゃんが一生懸命、「マーマー」「ブーブー」と言っているのを聞いたことは、どなたもあることと思います。私たちが使っているような、はっきりした形ではないものの、赤ちゃんは少し大きくなると、言葉を使って意志を伝えようとしてきます。以前、NTTコミュニケーション科学基礎研究所が「赤ちゃんが初めて話す言葉」についてまとめていました。20位までから抜粋してみます。

1位は「まんま(ごはん)」。なるほど、やっぱりごはんは大切ですね(笑)。ママは4位でなかなか健闘していますが、パパは8位、やっぱり「パピプペポ」は言い難いのでしょうか。ちなみに「ワンワン」は6位。パパはワンワンに負けていると思うとなんだか情けない気分になります。「バイバイ」は9位、これは言葉より身振りを先に覚えるのかもしれません。以下、「ニャンニャン」は14位、「バナナ」は19位でした。

上位50位を分類してみると、あいさつなど社会的な言葉が16語、普通名詞13語、性質を示す言葉8語、家族など人を示す言葉6語、動作語4語、代名詞・疑問詞3語というように分類されるそうです。ちなみに、名詞は動詞の約5倍。韓国や中国では名詞は動詞の約2倍、英語圏では約12倍だそうで、各国で覚える言葉の種類が違っていることが分かります。

研究員の方の説明によると、「英語圏では親が早くから物の名前を覚えさせようとする一方、アジアでは情緒的な共感を重視する傾向があるようだ。文化圏ごとの育児スタイルの違いが、幼児の言葉にも影響しているのではないか」ということなのだとか。こんなに小さい時から、文化の違いが大きく出るとは、とても不思議なことです。つまり、日本人と外国人では、同じものを見ても、そこから発する言葉、ひいては気持ちが全く違うのだということなのでしょう。

例えば、赤ちゃんと一緒に、秋の公園に出かけるとします。木々の葉が色づき始め、どんぐりが落ちています。夕方になれば、コオロギやスズムシの鳴き声が聞こえてくる……、そんな情景を思い浮かべてください。きっと、私たちなら、「ほら、葉っぱがきれいだねー。かわいいどんぐりがいっぱい落ちているよ。虫さんたちのお歌、上手だねー」と赤ちゃんに話しかけるでしょう。

上の結果を踏まえて、アメリカ人がどうやって話しかけるか想像してみます。「これは、イチョウ。そして、もみじ。落ちているのはどんぐり。鳴いているのはコオロギとスズムシだよ」……あくまで想像なので(笑)、実際は違うのかもしれませんが、「きれい」や「かわいい」「じょうず」という言葉をたくさん使って話すのは日本人ならではの感覚なのかもしれません。

また、あいさつなど社会的な言葉が一番多く覚えられているのも興味深いことです。「おはよう」「こんにちは」「ありがとう」「どうぞ」「さようなら」……、礼儀を重んじる日本文化ならではの挨拶の言葉がたくさんあります。外国語に比べて複雑な日本語。しかし、その複雑さゆえの美しさを、日本人はもっと大切にしなければと思います。


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