今、「昔話」を知っている子が少なくなっています。『三年寝太郎』も知らない。『かさ地蔵』も知らない。『こぶとりじいさん』も知らない。そんな子はざらです。「昔話を小さい時に読んでもらったりしたことありますか?」「ないです」「じゃあ、テレビでやっている『アニメ日本昔話』を見たことは?」「じっくり見たことはないです」という状態。
「グリム童話」でも「イソップ物語」でも結構知らない子がいます。「先生、ハリー・ポッターは知っています」「う~ん」ということになったりします。そのうち、「それじゃあ、まるで浦島太郎だよ」なんて表現も通用しなくなるのかもしれません。
そんなことを常々感じていたら、おもしろい本がありました。『診察室に来た赤ずきん~物語療法の世界』(大平健 著、新潮文庫)。著者の大平先生は精神科のお医者さんで、心の病を持つ人々の治療をしています。その長い経験から、「お話には力がある」と確信するに至ったということ。
心を病んで、人生がうまくいかなくなっている人達と話をするとき、「昔話」や「おとぎ話」がきっかけになり、患者さんや周りの人たちがかかえる状況に納得できたり、勇気づけられたり、不安が消えたりといったいくつかの事例が、読みやすくやさしい文章で書かれています。そこで取り上げられているお話は、タイトルにもある「赤ずきん」から「ももたろう」、「ジャックと豆の木」まで多彩です。そして、先生自身も、人生の節目節目で、大切なことを「お話」から得たのだと話されています。
「昔話や童話は不思議さに満ちています。そういう物語が自分の人生と絶妙に符合していることを知ると、多くの患者が改めてその不思議さに心を奪われます。そして、この世に「自分の物語」があることを喜ぶのです。」
「皆さんも思い出してみてください。幼いときに心惹かれた物語が、きっと皆さんの人生を導いてきたことに気づくはずです。人は誰にでも「自分の物語」があるのです。」
このように、この本には書かれていました。だから、「昔話」はりっぱに人生の指針となりうるのです。「お話」のパターンを、実際の出来事にあてはめてみることで感じとることが必ずあるはずです。しかし、それ以上にお話としての面白さを、単純にもっと子供達に味わって欲しいと思います。
「グリム童話」でも「イソップ物語」でも結構知らない子がいます。「先生、ハリー・ポッターは知っています」「う~ん」ということになったりします。そのうち、「それじゃあ、まるで浦島太郎だよ」なんて表現も通用しなくなるのかもしれません。
そんなことを常々感じていたら、おもしろい本がありました。『診察室に来た赤ずきん~物語療法の世界』(大平健 著、新潮文庫)。著者の大平先生は精神科のお医者さんで、心の病を持つ人々の治療をしています。その長い経験から、「お話には力がある」と確信するに至ったということ。
心を病んで、人生がうまくいかなくなっている人達と話をするとき、「昔話」や「おとぎ話」がきっかけになり、患者さんや周りの人たちがかかえる状況に納得できたり、勇気づけられたり、不安が消えたりといったいくつかの事例が、読みやすくやさしい文章で書かれています。そこで取り上げられているお話は、タイトルにもある「赤ずきん」から「ももたろう」、「ジャックと豆の木」まで多彩です。そして、先生自身も、人生の節目節目で、大切なことを「お話」から得たのだと話されています。
「昔話や童話は不思議さに満ちています。そういう物語が自分の人生と絶妙に符合していることを知ると、多くの患者が改めてその不思議さに心を奪われます。そして、この世に「自分の物語」があることを喜ぶのです。」
「皆さんも思い出してみてください。幼いときに心惹かれた物語が、きっと皆さんの人生を導いてきたことに気づくはずです。人は誰にでも「自分の物語」があるのです。」
このように、この本には書かれていました。だから、「昔話」はりっぱに人生の指針となりうるのです。「お話」のパターンを、実際の出来事にあてはめてみることで感じとることが必ずあるはずです。しかし、それ以上にお話としての面白さを、単純にもっと子供達に味わって欲しいと思います。